コクヨロジテムが実現した物流改革
近年の物流業界では、労働環境の改善が重要な課題になっています。その中で、コクヨロジテムが導入したシステム『トラック簿』が、物流センターの運営効率やドライバーの負担軽減にどのように寄与しているのかを探ります。
導入の背景と目的
2019年に着手された『トラック簿』の導入は、コクヨロジテムが抱える課題への対応から始まりました。かつて神奈川配送センターはマルチテナント型の4階に位置しており、到着したトラックドライバーは、受付のために4階まで上がった後、再び1階の待機場に戻る必要がありました。このプロセスは、ドライバーに大きな負担を強いるものでした。
さらに、待機中のトラックが滞留することは、他テナントにも影響を及ぼしていました。そのため同社は、正確な現状の把握を目的に『トラック簿』を導入しました。これにより、個々の物流センターのニーズに応じたカスタマイズが可能となり、効果的な管理が実現されました。
導入による成果
『トラック簿』の導入によって、まずは遠隔受付機能が効果を発揮しました。ドライバーが受付のために上下する手間が大幅に削減され、待機時間が短縮されました。また、移転後には予約機能が追加され、荷受け時間の集中を防止でき、その結果、物流センター側の運営負担も軽減されました。これによって、ドライバーの待機時間も改善され、合理的な運営が可能となりました。
この日本での取り組みは全国の物流センターに展開されており、待機時間やバースの使用状況を可視化することで、バース割り振りの効率化とドライバー支援に寄与しています。各センターが得た知見を共有することで、より自主的な改善が進んでいます。
今後の展望
今後も、『トラック簿』の活用を続けると同時に、データの正確性や運用上の課題をハコベルとともに改善していく方針です。この取り組みは、物流業界の今後の発展に向けた一助となるでしょう。
ハコベルの役割
ハコベル株式会社は、物流のデジタル化を推進する事業を展開しています。特に「トラック簿」は、トラック予約や受付のデジタル化を実現し、待機時間の短縮を図るためのシステムとして注目されています。これにより、企業のDX推進にも寄与しています。
近年、国全体で注目される「物流2024年問題」や「ホワイト物流」推進の観点から、コクヨロジテムの取り組みは非常に意味深いものとなっています。このシステムがどれだけ業界に影響を与えるのか、今後の動向に期待が寄せられています。