NTTテクノクロスの次世代コールセンターAI
NTTテクノクロス株式会社は、東京都港区に本社を置く企業です。2024年8月30日から、同社はコールセンターAIプロダクト「ForeSight Voice Mining(FSVM)」の新バージョンを提供します。この新バージョンは、次世代メディア処理AIとの連携を実現し、音声認識の精度を向上させました。
コールセンター業務における課題
近年、コールセンターでは自動音声認識技術が重要視されています。お客様の通話内容を正確に認識することは、電話応対業務の質を保つために不可欠です。しかし、お客様からの問い合わせには周囲の雑音や不明瞭な発話が多く、認識精度を向上させるには極めて困難な状況が続いていました。これにより、効率的な業務運営が妨げられているのが現実です。
新しい音声認識技術の導入
今回、FSVMが導入する次世代メディア処理AIは、NTTの研究所が開発した革新的な技術です。このAIは、人間の脳に近い情報処理を実現できるよう設計されています。これにより、従来よりも少ないデータで高精度な音声認識が実現されます。また、End-to-End音声認識技術が採用されており、音声データを直接テキスト化することが可能です。これにより、音声からテキストへの変換精度が大幅に向上しました。
期待される効果
新しいFSVMの導入により、お客様側の音声認識率は最大9%向上することが期待されています。これは、話し言葉やカジュアルな表現も更に認識できることを示しています。この進歩により、問合せ業務の生産性が向上し、よりスムーズな顧客対応が実現します。
今後のビジョン
NTTテクノクロスは、今後さらに多様な機能を追加し、認識テキストと次世代メディア処理AIから得られる情報を組み合わせたサービスの提供を目指しています。特に、顧客体験(CX)の向上を図るために、通話情報の可視化や生成AIとの統合による機能の充実化が予定されています。
導入実績
FSVMは、これまでに5万6千席以上に導入されており、多くのコールセンターや自治体で実績を上げています。音声認識技術や感情分析技術を活用し、通話内容のテキスト化や要約を行うことで、持続的な顧客体験の向上に貢献しています。
まとめ
NTTテクノクロスの新たな技術革新は、コールセンター業務の効率化と顧客体験の向上に大きな影響を与えると期待されています。これからの情報化社会において、音声認識技術は今後も進化を続け、ますます重要な役割を果たしていくことでしょう。