食品製造業の未来を支える新技術の活用
農林水産省は最近、食品製造業の労働生産性を高めるべく、先端技術の導入を促進する取り組みを行っています。この方針の一環として、令和6年4月に公表された「食品製造現場におけるロボット等導入及び運用時の衛生管理ガイドライン」は、特に注目されるべき内容です。日本語版に引き続き、英語版も作成されることで、海外事業者や機械メーカーにも広く活用されることが期待されています。
背景と目的
食品製造業は、他の製造業に比べて労働生産性が低いという問題を抱えています。そこで、農林水産省はロボットなどの先端技術を果敢に導入し、生産性向上に寄与させる施策を推進しています。特に、令和3年6月には食品衛生法の改正が行われ、その影響で全ての食品事業者はHACCPに沿った衛生管理を行うことが求められるようになりました。これに伴い、製造現場にロボットを導入する際には、HACCPに対応した衛生管理の指針が不可欠となったのです。
この背景を受け、農林水産省は令和6年4月に、一般社団法人日本惣菜協会を代表とするコンソーシアムに委託し、ロボット導入時の衛生管理についてのガイドラインを策定しました。これにより、食品の安全性を確保しつつ、技術を衛生的に活用するための具体的な指針が示されました。
英語版ガイドラインの必要性
ガイドラインの公表後、特に海外で製造拠点を有する食品製造事業者からの英語版作成の要望が多く寄せられました。そのため、今回新たに英語版ガイドラインが作成されることになりました。この努力は、国内外問わず食品製造業界の効率化に寄与するものと期待されています。
ガイドラインの詳細
新しいガイドラインは、次の2つのカテゴリに向けられています:
1.
ロボット等を工場に導入しようとしている食品製造事業者
このガイドラインは、自動化技術の導入を検討している企業がHACCPに対応しながら安全にロボットを導入するための指針となります。
2.
食品業界に参入を希望する機械メーカーやSIer(システムインテグレーター)
新たに食品分野に参入する意欲を持つ企業へのサポートを目的としており、基礎から実践までの情報を提供します。
各章には、実際の導入に役立つ具体的な留意点や手順が示されており、これまで食品業界を対象としていなかったSIerや機械メーカーなども、理解を深めるための助けとなることが期待されています。
まとめ
新たに公表された英語版ガイドラインは、食品製造の効率化とHACCP準拠を両立させるための重要な一歩です。国内外の食品製造業者や機械メーカーの皆さんにとって、ますます重要性を増すこのルールに従って、ロボット導入をスムーズに進められるよう応援します。詳細については、以下のリンクからご覧いただけます。
また、最新の報道発表資料もご参照ください。
報道発表資料(PDF)