インフルエンザ罹患リスク
2025-11-20 11:50:52

健康ビッグデータが解明したインフルエンザ罹患リスク5つのタイプ

インフルエンザにかかりやすい人の特徴を解析


今年の冬、インフルエンザの流行が例年よりも早く拡大しています。厚生労働省のデータによれば、主に「A香港型(H3/N2)」が蔓延しており、感染者数が日々増加しています。この型は重症化のリスクが高く、ワクチンの効果も得にくいとされています。

医療機関にはインフルエンザや風邪の症状を訴える患者が急増しており、特に都市部では抗インフルエンザ薬が不足する恐れも出てきました。このような状況の中、弘前大学・京都大学・大正製薬による共同研究チームは、大規模健康調査のデータを用いてインフルエンザにかかりやすい人の特性を解析しました。

健康ビッグデータの活用


この研究は、青森県弘前市で実施されている「岩木健康増進プロジェクト健診(IHPP)」の健康データを利用しています。このプロジェクトでは、1,000人以上の住民から収集した3,000項目以上のデータを用いて、インフルエンザにかかりやすい要因を探ることが目的です。研究では、AIを使って165項目のデータを解析し、因果関係を明らかにしました。

研究チームによれば、インフルエンザにかかりやすい人の特徴は主に以下の5つのタイプに分かれました。これらは「血糖が高め」、「肺炎の既往あり」、「多忙・睡眠不足」、「栄養不良」、「アレルギーあり」というものです。

1. 血糖が高め


血糖関連の数値が高い人は、免疫機能が低下しやすいことが分かっています。これにより、ウイルスに対する抵抗力が弱まります。

2. 肺炎の既往あり


過去に肺炎を経験した人は、もともと感染症に対する抵抗力が弱いとされ、インフルエンザにもかかりやすい傾向があります。

3. 多忙・睡眠不足


仕事が忙しく、睡眠時間が不足している人もリスクが高いです。過去の研究では、睡眠不足が風邪の罹患率を高めることが報告されています。

4. 栄養不良


食事の偏りは、特に抗酸化作用のある栄養素の不足を引き起こし、結果的に免疫力を低下させます。

5. アレルギーあり


アレルギー体質の人は慢性的な炎症を抱え、呼吸器のバリア機能が弱まり、ウイルス感染のリスクが高まると考えられます。

複合的な要因によるリスク


これは単独の要因ではなく、複数の要因が絡み合うことでインフルエンザの罹患リスクが左右されることが本研究で示されています。特に血糖が高く、肺炎の既往があり、睡眠不足の人々は特にインフルエンザにかかりやすいことが確認されました。

予防対策に向けた医師のアドバイス


内科医の久住英二先生は、各タイプごとに効果的な対策を講じることを推奨しています。たとえば、血糖が高い人は糖質を意識して管理し、栄養バランスを考えた食事を心がけることが大切です。また、睡眠不足の人は質の高い睡眠環境を整えることや、栄養不足の人は抗酸化作用の高い食材を積極的に摂取することが推奨されています。

セルフメディケーションの重要性


感染症が広がる中、軽い症状の場合は自身での対応、『セルフメディケーション』の選択肢を考えることが重要です。市販の解熱鎮痛薬や抗原検査キットの準備をして、症状が発現したらすぐに確認することが求められます。このように、自身でのケアを行うことで、医療機関の混雑を緩和し、自分や家族を守ることができるでしょう。

まとめ


この研究を通じてインフルエンザにかかりやすい体質や生活習慣が可視化され、今後の感染症対策に役立つ情報が得られました。個人の体質に基づいたオーダーメイドの対策が実現することが期待されます。この情報を踏まえ、日常から感染症対策を意識し、健康的な生活を送ることが重要です。

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