ispaceと栗田工業が月面水処理の実証試験に向けて協力
株式会社ispace(東京中央区)は、栗田工業株式会社(東京中野区)との間で、月面での水処理実証を目指すペイロード輸送に関する覚書を締結しました。この覚書は、ispaceが計画する月ミッションの中で、栗田工業が持つ水処理技術を活用しようというものです。
月面水処理システムの重要性
このプロジェクトは、月面での持続可能な資源利用にとって重要な一歩です。月面でのさまざまな活動には水が欠かせないため、現地資源から取水し、浄化・精製する技術の確立が求められています。これにより、地球からの水の輸送コストが大幅に削減され、経済圏の構築が可能となります。
2024年からの協業
栗田工業は2024年11月に民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーとして参画し、その後のミッションにおいて月着陸船に水処理システムを搭載するための協力を行います。これにより、2027年以降の月ミッションでの実証試験が実現する見込みです。
持続可能な宇宙社会への期待
ispaceは「Expand Our Planet, Expand Our Future」というビジョンのもと、地球と月の間に経済圏を確立しようとしています。この経済圏では、宇宙ステーションや月面基地の建設において水資源の管理が極めて重要です。栗田工業が持つ水処理技術は、このビジョンの実現に寄与することが期待されています。
栗田工業の水処理技術
栗田工業は、地上での水処理技術を活かし、宇宙環境下でも使用可能な超純水システムを開発しています。月面用水電解装置にこの超純水を提供し、さまざまな活動のための水資源の確保を目指しています。この技術の実現により、宇宙での活動がより効率的に行えるようになります。
株式市場での展望
ispaceは、2025年1月15日に日本法人が主導するミッション2を打ち上げる予定であり、最速で2025年6月6日には月面に着陸する再挑戦を行う計画です。栗田工業との協力が実現すれば、月面での水処理の実証試験が新たな宇宙活動の形を拓くことになるでしょう。
結び
栗田工業とispaceの連携は、月面経済圏に新しい可能性をもたらすものです。両社は、宇宙での持続可能な社会の実現を目指して、月面での水処理システムの実証試験に向けた取り組みを加速させていきます。今後の展開に大いに期待が寄せられています。