DNP、オランダに海を越えた革新の拠点を設立
大日本印刷(DNP)は、2025年9月にオランダのアイントホーフェンに、初の海外研究開発拠点を設けることを発表しました。この新拠点は、グローバルな研究開発の強化を目指すものです。
ハイテクキャンパス アイントホーフェンとは?
アイントホーフェンに位置するハイテクキャンパスは、約300の企業や研究機関、12,500人以上の研究者や技術者が集まるヨーロッパの重要なイノベーションハブです。ここでの新しい拠点設立によりDNPは、先端技術の研究開発を加速させる狙いがあります。
新しい研究テーマ:光電融合技術
開設される拠点では、初めての研究テーマとして「光電融合」が選ばれました。この技術は、情報の光通信と電子技術を組み合わせて、高い情報処理性能を実現することを目指しています。
DNPは、2025年7月にオランダ応用科学研究機構(TNO)との共同研究契約を結び、光電融合技術の開発に取り組みます。この共同研究は、PITC(フォトニック統合技術センター)と連携して行われ、基礎研究から量産化までのプロセスを支援します。
背景:データセンターの増大する課題
情報流通量の急増とデジタルトランスフォーメーションの進展によるデータセンターの電力消費量の増加が大きな課題となっています。従来の電気を基盤とした高速伝送ではこの課題に応えきれない時代が迫っています。そこで、情報伝送を光に切り替える技術が求められています。
DNPは、半導体関連の新規事業創出に力を入れ、光電融合向けのパッケージ部材の開発を加速させる事業を進行中です。
オープンイノベーションの推進
新拠点では、さまざまな企業や人材が集まる環境を生かし、オープンイノベーションを進めることを目指します。光電融合に限らずDNPの強みを活かした新規事業の創出が期待されます。
今後の展開
DNPは、オランダ新拠点を通じて光電融合技術のネットワークを構築し、さらなる開発を進める計画です。また、世界の状況や重大なトレンドを見据えながら新たな海外研究開発拠点の設立も視野に入れています。多様な人材と技術のグローバル化を進めることで、新しいビジネスの創出を強化する意向です。
新たなイノベーションと共に、DNPがどのような未来を切り開くのか、注目が集まります。