京都精華大学(所在:京都市左京区、学長:澤田昌人)のマンガ学部が、2026年度に向け、マンガの専門性をさらに高めるために、学科選択科目を拡充します。この新しい取り組みでは、4つのコース(ストーリーマンガ、新世代マンガ、キャラクターデザイン、アニメーション)を通して、学生たちに様々なマンガ表現を学ばせることを目指しています。
まず、京都精華大学のマンガ教育について振り返ると、同学部の歴史は1973年まで遡ります。2006年には日本で初めてのマンガ学部を設立し、以降50年以上にわたり、多くの才能を育て上げてきました。マンガを通じて世界との架け橋を築くことを理念に、表現技術や作品の構造、さらには文化背景について深く学び続けています。今回のカリキュラム拡充は、その学びをさらに深化させるものです。
拡充される専門選択科目
2026年度から新たに設置される専門選択科目は、以下のように構成されています。
●マンガ演出論
この科目では、近年のSNSの普及に伴う多様化するマンガ表現に焦点を置きます。実作者や編集者と共に、紙媒体のマンガ演出から新世代の縦スクロール形式まで、演出技術の深い理解を目指します。
●ウェブトゥーン論
スマートフォンに最適化されたウェブトゥーンの進化と魅力を学ぶこの授業では、業界の現場で活躍する講師が、その歴史や動向について解説します。最新のデジタルマンガに関する知識を深め、グローバルな視点で理解を広げます。
●BL論
BLジャンルに特化したこの科目では、歴史や社会的背景を学びながら、国内外に広がるBLの特性を考察します。ジェンダーやセクシュアリティの視点を絡めた深い学びを通じ、現代社会におけるBLの重要性を理解します。
●BLマンガ実習
また、BLマンガ制作における実践的な技術を身に着けるこの科目では、異なるジェンダー表現に対する理解を深め、ストーリー制作に活かします。現役のクリエイターによる指導を受けながら、実習を通じて新しい表現力を養います。
キャラクターデザイン学科の新設
2026年度には、キャラクターデザイン学科も新たに設置されるため、ここでも専門選択科目が追加されます。
●デジタルイラスト技法
この科目ではCLIP STUDIO PAINTやPhotoshopを用いて、デジタル描画技術を訓練します。第一線で活躍するイラストレーターたちから、最新の技法や色彩感覚を直接学べる機会が提供されます。
●クリーチャー作画実習
想像力を生かしたクリーチャーの制作に特化した授業で、空想の生物をデザイン・描画する力を育てます。具体的なイメージを形にする技術を身につけることが可能です。
●3Dモデリング技法
3DCG技術の基礎を学び、グラフィックやレンダー技術に親しむ内容となっています。実際の業務現場を想定しながら、実践的なスキルを磨きます。
●ゲームUIデザイン
ゲームの視覚的要素を効果的にデザインする技法を学びます。キャラクターやアイテムをユーザーの目線から考え、楽しいゲーム作りをサポートします。
京都国際マンガミュージアム
また、マンガ学部の教育をさらに支える機関として「京都国際マンガミュージアム」があります。この文化施設は、京都市と大学が共同運営しており、約30万点のマンガ資料を保有しています。国際マンガ研究センターは、世界のマンガ文化研究の先端を行く重要な拠点です。
結論
未来のマンガクリエイターを育成するための京都精華大学の新たな取り組みは、専門性を混合した多様な学びの場を提供しており、留学生を含む多くの若者にとって大きなチャンスです。マンガを通じて新たな表現を開拓し、社会への貢献を目指す学生たちの今後が楽しみです。