労働生産性とAI
2024-10-11 16:37:55

労働生産性向上への期待と生成AIの可能性に迫る調査結果

労働生産性向上への期待と生成AIの可能性に迫る調査結果



日本生産性本部が発表した第3回「生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査」では、日本の労働生産性の現状に対して深刻な危機感を持つビジネスパーソンが多いことが分かりました。それと同時に、生成AIがもたらす変化へのポジティブな期待も浮かび上がっています。

この調査は、2024年6月21日から25日にかけて行われ、従業員300人以上の組織に属するビジネスパーソン2,945名を対象としました。調査対象には、経営層、管理職層、非管理職層が含まれ、業種別にも分析が行われました。調査結果から明らかになった主な特徴を見ていきましょう。

労働生産性への危機感


調査に参加した人々の約71.1%が、日本の労働生産性の低迷について「危機感がある」と答えており、これは前年の67.0%から増加しています。特に上位の役職にある人々が、より強い危機感を抱いていることが分かります。これは、国際的な競争力の低下に対する真剣な懸念を反映しているのかもしれません。

賃上げの実感と物価上昇


賃上げに対する評価については、物価上昇に対して賃金が十分に見合っていないと感じている人が多いことが分かりました。経営層の約11.3%は「ほとんど見合っていない」と答えましたが、管理職層や非管理職層ではその数字が約3割に達し、賃上げの実感には大きなギャップがあります。このことは、企業の経営戦略がどのように従業員の生活に影響を与えるかを再考する必要があることを示しています。

生成AIの影響


生成AIは、働き方にポジティブな変化をもたらす可能性が高いと認識されています。調査では多くのビジネスパーソンが、「無駄な作業や業務が減り、ワークライフバランスが改善する」という意見を持っています。特に経営層の約28.6%がこの効果を期待しており、約半数が生成AIによって「より付加価値の高い仕事に集中できる」ようになると感じています。それに対し、「自分の仕事が代替される脅威」を感じる人は全体で約5%に過ぎず、これもまた生成AIへの期待を裏付けるものといえます。

社会で大事にすべきこと


生活の中で重要だと思われることについては、「経済的な豊かさ」が最も多く挙げられています。また、ウェルビーイング(幸福感)も上位の役職にあるほど重視されており、特に経営層ではこの二つがほぼ同じ割合で回答されています。これは、企業が労働環境や従業員の幸福度を意識することが今後の競争力に直結することを示唆しています。

今後の方向性


日本生産性本部は、生産性向上を図るために国際的な連携を強化しており、日米欧の経営リーダーによる生産性に関する対話や共同研究を進めています。今回の調査結果をもとに作成される「生産性経営者会議」の小冊子が年内に公開される予定です。これにより、企業が直面する課題とそれに対する解決策を探る手助けが期待されます。

このように、労働生産性に対する危機感が高まる中で、生成AIに寄せられる期待は企業の未来を変える可能性を秘めているといえるでしょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

会社情報

会社名
日本生産性本部
住所
電話番号

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。