Eバンドレーダーによる山間部の獣害監視技術
古野電気株式会社が、三重県林業研究所と共同で行ったEバンドレーダー(70GHz帯)を使用した実証実験が高い成果を上げました。この研究は、鹿や熊などの野生動物が引き起こす農林業への被害を軽減することを目的としており、特に視界不良や複雑な地形が影響する山間部において、動物の検知や監視がどれほど有効かを検証するものでした。
背景
近年、農林業における獣害は深刻な問題となっており、特に山間部での被害が顕著です。これまでの監視手法では、人的な手がかりやカメラによる常時監視が難しく、より革新的な技術の開発が求められてきました。
実証実験の概要
この実験は、2026年1月23日から1月26日の期間、三重県林業研究所内の山間部傾斜地で実施され、Eバンドの小型レーダー試作機を用いて、野生動物の動体を検知し、そのデータを記録・解析しました。
実験の結果、複雑な地形であっても、当該レーダー技術によって連続的に動体を検知し、安定した監視が可能であることが確認されました。特に、夜間における鹿の行動を可視化できることは、農林業への被害予防において非常に意義深いものです。
主な成果
1.
動物の検知と行動経路の把握
実験により、夜間に移動する鹿を高精度で検出し、その行動経路を可視化することができました。
2.
時間帯ごとの活動傾向の分析
解析の結果、野生動物の出現が主に夜間に集中する傾向が明らかとなり、日ごとの活動量にも差が見られました。
この技術は、獣害の発生を前もって把握することで農林業被害の低減を図るだけでなく、野生動物の行動パターンを長期的に解析するための基礎資料を提供します。また、無人や遠隔での広域監視システムとしても活用できる可能性が高く、今後の展開が期待されます。
今後の展望
古野電気では、さらなる検知精度の向上と長期間にわたる運用の検証を進めつつ、自治体や研究機関との連携を強化し、Eバンドレーダー技術の実用化に向けた取り組みを加速していく方針です。この革新的な技術が、農林業や自然環境の保護に貢献することを期待しています。
この実験に関する詳細な情報は、古野電気の公式ウェブサイト及びFURUNO MIRAI PULSEにて確認できるので、関心のある方はぜひ訪れてみてください。