富山県の“お袋の味”を未来へ繋ぐ老舗パン店の挑戦
富山県射水市にて、創業74年を誇る老舗パンメーカー・さわや食品株式会社は、地域の食文化を大切にしながら美味しいパンを提供しています。最近、株式会社パンフォーユーとの提携により、新たな配送方法を採用し、未来へと取り組みを継承することを目指しています。
さわや食品について
同社は、地元の学校給食や老人ホーム向けにパンを供給するだけでなく、富山の地域性を活かした特産パンを手がけています。1945年の創業以来、地域の人々に愛され続け、特に「お袋の味」を大切にした商品開発を行ってきました。澤谷晴彦社長は、地元の気候や食材を活用することが、地域独特の味の発信につながることを強調しています。
代表的な商品には、北前船文化を反映した25年以上愛されている昆布パンや、50年の歴史を持つコーヒースナックがあります。これらは“懐かしい味”として富山に根付いており、帰省の際に必ず買い求める人々も多いです。彼は、「富山ならではの文化を尊重しながら、地元の人が親しんできた味を大切にしたい」と語ります。
地域パン屋の減少と文化継承
しかし、昨今では富山県内におけるパンメーカーの数が急速に減少しています。かつては43社あった学校給食向けのパンを製造する企業も、現在では6社にまで減少しています。この傾向は、地域の人口構造や食習慣の変化によるものが大きいとされています。
こうした中でさわや食品は、独自の方法で地元の味を未来へ継承する活動に取り組んでいます。
パンフォーユーとの新たな提携
さわや食品が地域の味を守るためには、生産効率を高めながら販路を拡大する必要がありました。澤谷社長は、「新しい形でパンを届ける方法を模索する中で、パンフォーユーとの提携を決意しました」と語ります。パンフォーユーは冷凍技術と全国的な流通網を持ち、これを活かして、さわや食品の魅力的な商品を全国のオフィスへ届ける役割を担っています。
パンフォーユーオフィスで味わう富山の味
「パンフォーユーオフィス」では、さわや食品の人気商品を簡単に楽しむことができます。職場で富山の“お袋の味”を味わうことができるため、社員同士の会話が生まれ、日常の職場に小さな楽しみを提供しています。
代表商品の一つ、特製のスパニッシュカステラは、ホイップクリームといちごジャムがサンドされ、食べやすくなっています。また、コーヒースナックは、豊かなコーヒーの香りが特徴で、人気が高いのです。
澤谷社長は、「私たちの製品は富山の食文化の象徴であり、今後も地域に根ざした商品を多くの人々に提供したい」と述べています。これに対し、パンフォーユーの矢野健太代表取締役は、「さわや食品の魅力を通じて、富山の地域性を全国に広められることに非常にワクワクしています」と語り、両社の協力の重要性を強調しました。
パンフォーユーオフィスの利便性
パンフォーユーオフィスは、地域のパン工場が手がけたパンを冷凍庫に常備し、いつでも楽しめる福利厚生サービスを提供しています。企業の規模に関係なく手軽に導入でき、すでに400社以上の企業で利用されています。
契約企業は冷凍パンの価格を半額負担し、さらにパンフォーユーは冷凍庫の運用やパンの補充まで行うため、煩わしい管理が不要です。
地域の未来を見つめて
さわや食品とパンフォーユーの取り組みは、単にビジネスの一環ではなく、地域の食文化を守り、繁栄させるための重要な試みです。今後も地域の味を未来へと受け継いでいく姿勢が、多くの人々に富山の魅力を伝えていくことでしょう。