世界睡眠デーに見る医師たちの睡眠事情とその影響

医師たちの睡眠事情

3月14日の「世界睡眠デー」を迎え、医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージが、874名の医師に対して実施した睡眠時間に関するアンケートが注目されています。この世界睡眠デーは、健康的な睡眠の重要性を啓発する日として、国際組織である世界睡眠学会によって定められたものです。

睡眠時間の現状

調査結果によると約4割の医師が「6時間未満」の睡眠をとっていることが分かりました。具体的には、6〜7時間未満の睡眠時間が最も多く、予備調査では5〜6時間未満が続き、約39%の医師が十分な睡眠を確保できていないと感じていることが明らかになりました。医師という職業柄、日々多忙な業務に追われているため、睡眠時間の確保が困難となっているようです。

実際の回答を見ても、良質な睡眠をとるための工夫として「スマホは早めに電源オフ」「夕方からカフェインを控える」といった意見が多く寄せられました。国際的にも日本の睡眠時間が短いとされていますが、特に医療従事者の睡眠不足が浮き彫りになっています。

医師の働き方改革の影響

2024年に施行される「医師の働き方改革」は、医師の働き方に影響を与えています。調査結果では、医師の働き方改革が睡眠時間の確保に影響していると感じる医師は約1割で、約7割が実際に睡眠時間が「増えた」と回答しています。一方で、29%の医師が睡眠時間が「減った」と感じている現実もあります。

この改革によって、「当直回数が減少し、深夜勤務の後の休養が取りやすくなった」という意見が多く見られました。勤務体制が改善されたことで睡眠時間が増えたとの声が聞かれる一方で、支援の減少や勤務数の増加が影響を与え、逆に睡眠時間の確保が難しくなったという意見も存在します。特に病院の業務が厳しい地域においては、医師たちのストレスが睡眠に影響を及ぼすこともあるようです。