藤沢市が全国初導入した「ANDPAD」の全貌
神奈川県藤沢市が、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を導入しました。この取り組みは、公共建築工事において職員と事業者の働き方改革を推進するためのものであり、全国の自治体として初めての試みとなります。市長の鈴木恒夫氏は、効率的な施工管理を実現することで、より良い公共サービスの提供を目指しています。
背景と導入の経緯
藤沢市は、工事の発注者として現場への移動に多くの時間がかかり、その間接業務の負担を軽減するために施工管理ツールの実証実験を昨年度実施しました。その結果を踏まえ、2025年度から「ANDPAD」を正式に導入することが決定しました。この実証実験では、現場と事務所間の連携を強化する手法や、効率的な業務フローの構築についての知見が得られました。
ANDPADの導入効果
1. 移動時間の削減
「ANDPAD」が導入されることで、工事現場への訪問回数が減少します。リアルタイムで現場状況を確認できる遠隔臨場機能があるため、職員は必要な情報を迅速に得ることが可能です。
2. 情報の一元管理
施工に必要な書類や情報は全て「ANDPAD」に保存されます。これにより、職員と事業者間の情報共有がスムーズになり、工事施工全体の効率が向上します。時間の無駄を省き、業務の迅速化が期待されます。
3. 長期的な維持管理
完工後の工事情報もANDPADで継続的に保存されるため、今後の建物の維持管理や修繕に役立てることができます。また、膨大な図面などの書類をデジタル化することで、保存スペースの節約にもつながります。
ANDPADとは?
「ANDPAD」は、2016年に開発されたクラウド型建設プロジェクト管理サービスで、業界でのシェアはNo.1です。直感的なインターフェースと導入サポートにより、現在では21.6万社以上が利用しており、ユーザー数は55万人を超えています。また、国土交通省のNETISにおいて「令和6年度推奨技術」にも選定されています。
会社情報
株式会社アンドパッドは、東京の千代田区に本社を置き、建設プロジェクト管理サービスの開発・販売・運営を行っています。代表取締役の稲田武夫氏が率いる同社は、業界のデジタルトランスフォーメーションの推進を目指しています。
今後、藤沢市の「ANDPAD」による社会実験の成功は、他の自治体にも波及効果をもたらし、全国的な施工管理の効率化に寄与することが期待されます。多くの自治体がこの試みを参考にすることで、より効率的な公共サービスの提供が進んでいくことでしょう。