日立ハイテクと東京大学の共同研究
日立ハイテクと東京大学は進化し続ける半導体分野において、特に高分解能Laser-PEEMについての共同研究を進めています。Laser-PEEM(レーザー励起光電子顕微鏡)は、従来の解析手法と比較して格段に高い速度で画像解析を行うことができるツールであり、さまざまな化学情報やナノスケールの立体構造の観察において革命的な役割を果たします。これにより、半導体業界で必要とされる高精度な評価や検査が実現可能になります。
高分解能Laser-PEEMの特長
この新たな技術の最も注目すべき点は、より高速かつ高解像度のデータ取得が可能なことです。Laser-PEEMでは、対象物全体にレーザーを照射し、放出された電子をカメラで捕えることで観察画像を生成します。この方法により、電子線を走査して取得する従来のSEM(走査電子顕微鏡)と比べ、検査時間が大幅に短縮されます。これは、製造プロセスの効率化に寄与することが期待されており、今後の半導体製造において非常に重要な役割を果たすでしょう。
応用の広がり
また、Laser-PEEMは、半導体製造のプロセスにおいて必要な様々な化学情報を観察することができるため、現状の製造工程を大きく変革しうる可能性を秘めています。たとえば、回路パターンの検査において、現行の方法では現像を経て形成されたパターンを解析する必要がありますが、Laser-PEEMを用いることで潜像パターンとも呼ばれる、化学的に刻まれたパターンを観察できるようになります。この技術は、半導体の歩留まり向上に直結するものであり、業界全体への多大な影響が見込まれています。
非破壊観察の優位性
さらに、Laser-PEEMではナノ構造の非破壊観察が可能です。約10~100ナノメートルの深さを検出する能力を持つため、ウェーハ内の欠陥を「透かして」観察でき、これまでのような加工を伴ういて衛生的な検査方法を必要とせず、プロセスが大幅に効率化されます。
続く共同研究の将来
日立ハイテクの役割は単に新技術の開発に留まらず、業界全体のさまざまなニーズに応えることにも及びます。東京大学と連携し、高分解能Laser-PEEMの実用化をさらに進めることで、最先端の半導体製造技術の変革を可能にするでしょう。また、この技術は半導体業界だけでなく、他の産業や基礎科学の分野にも応用されることで、より広範な社会問題の解決に寄与することも期待されています。
未来に向けた一歩
今後も日立ハイテクは、革新的なソリューションを提供し続けることで、半導体製造の未来を形作る存在であり続けるでしょう。新しい技術をタイムリーに提供し、顧客と共に新たな価値を追求する姿勢が、これからのモノづくりを支える基盤となるのです。
詳細に関しては、東京大学との連携に関するプレスリリースもぜひご覧ください。
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