商船三井、シンガポールでの成長を目指す
株式会社商船三井(以下、当社)は、シンガポール最大の食品コールドチェーン物流会社であるCommonwealth Kokubu Logistics Pte. Ltd.(CKL社)に資本参画を果たしました。この動きは、2024年に出資されるアジア最大級の倉庫「8 Jalan Besut」を中心とした物流事業の拡大を目指しています。
シンガポール沿岸部に位置するCKL社が運営する8 Jalan Besut倉庫は、高さ100メートルを超える巨大な建物で、約90,000パレットの収容が可能です。この倉庫は冷蔵・冷凍といった多温度帯に対応した5階建て構造で、最上階には最先端の完全自動倉庫エリアが整備されています。24時間体制の効率的な倉庫運営を実現し、外食業者や小売業者向けに高品質な物流サービスを提供しています。
東南アジア戦略の一環
この資本参画は、当社の経営計画「BLUE ACTION 2035」の一環として位置付けられています。世界的なマーケットでの影響力を高め、特に経済が急成長している東南アジア地域におけるコールドチェーンに関する需要が拡大する中、当社グループは新たな事業機会を模索しています。
2222年5月に発表されたプレスリリースによれば、CKL社はシンガポール国内で外食業者や小売業者向けに保管・配送サービスを展開。このパートナーシップを通じて、商船三井は東南アジア諸国への展開を視野に入れています。これにより、地域の消費拡大への対応力を磨き、長期的な安定収益を確保する体制を整えていく方針です。
調印式の開催
2023年12月9日、両社は国分グループ本社ビルにてパートナーシップ締結の記念調印式を行い、今後の協力体制を確認しました。調印式に出席した両社の代表は、シンガポールの冷蔵物流市場の展望と、地域経済への貢献について語りました。
海運不況時の収益基盤の確保
商船三井は、海運不況期でも黒字を維持できる事業ポートフォリオを重視してきました。この新たな参画により、シンガポールの倉庫事業に寄与し、安定的な収益を見込んでいます。地域の物流インフラの発展にも貢献しながら、持続可能な成長を実現することが期待されているのです。さらに、今後の事業展開においても、ITシステムの活用や高効率な物流体系の整備が進められる計画です。
当社が描く未来に向けて、商船三井の挑戦が新たなページを刻むことになるでしょう。シンガポールを拠点に展開するこの冒険から、物流業界の新たなトレンドが生まれることに期待が寄せられています。