新たなDC/DCコンバータの登場
トレックス・セミコンダクター株式会社が、革新的なDC/DCコンバータシリーズXCL247とXCL248を発表しました。これらのデバイスは、高耐圧の特性を持ち、幅広い用途での使用が期待されます。特に、産業用途や一般消費者向け製品など、多岐にわたる利用シーンに適しています。
省スペースと高効率を兼ね備えた設計
XCL247/XCL248シリーズは、最大36Vという高耐圧を実現しながら、サイズの小型化を図っています。そのサイズは、わずか7.3x8.1mmと、従来の中高耐圧LDOに比べて約40%も小さくなっています。これにより、発熱の課題も効果的に解決でき、電源の効率が向上します。
さらに、自己消費電流は驚くべき11μAに抑えられており、出力電圧が5Vの場合、負荷によっては最大88%の高効率を実現します。これにより、使用する際のエネルギーコストも削減することができます。
多彩な出力による柔軟な対応力
最大600mAの出力電流を持つXCL247およびXCL248シリーズは、通信やセンサーといった様々なデバイスに十分な電力を供給します。また、動作温度範囲は-40℃から105℃まで対応しているため、極端な環境下でも安心して使用することができます。
ノイズ低減と開発効率の向上
コイル一体型の設計により、基板上の配線パターンを最小化し、電流ループからのノイズ放射を大幅に削減しています。これにより、製品の信号品質が向上し、周辺機器への悪影響を軽減することが可能です。また、コイルが既に内蔵されているため、部品選定などの面倒な作業が大幅に軽減され、開発プロセスのスピードアップが図れます。
最新技術を取り入れた設計
XCL247/XCL248シリーズは、一般的なNchドライバFETではなく、PchドライバFETを採用し、これにより100%デューティー対応が可能です。入出力電圧の差が小さい状況でも安心して使用でき、高出力負荷における安定性が確保されています。また、PowerGood機能やソフトスタート機能が備わっており、システム全体の電源シーケンスの制御が可能です。
さまざまな制御方式
XCL247シリーズでは、常時安定したリップル電圧を実現するPWM固定制御が採用されており、XCL248シリーズは軽負荷から重負荷まで高効率を兼ね備えたPWM/PFM自動切替制御を取り入れています。これにより、用途に応じた最適な制御方式を選ぶことができます。
高い放熱性能も実現
最後に、これらのデバイスは、DFN3030-10Bという小型パッケージを採用しており、優れた放熱性能を備えています。基板に温度を逃がす構造を持ちながらも、コンパクトな設計を実現しており、発熱によるトラブルを未然に防ぎます。
まとめ
トレックス・セミコンダクターのXCL247/XCL248シリーズは、技術の革新を象徴する製品です。省スペース設計、高効率な電源供給、効果的なノイズ管理、そして設定の柔軟性を兼ね備え、あらゆる電源要件に応える能力を持っています。今後、さらなる普及が期待されるこのシリーズに、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。