シニアが働きがいのある会社1位はDHL
2025年版「働きがいのある会社」シニアランキングが発表されました。この調査は、シニア(管理職を除く55歳以上)の働きがいを測るもので、今回は特にDHL Express(DHLジャパン)が大規模部門で1位に選ばれたことが注目されています。日本経済の少子高齢化が進む中、シニアの労働環境改善はますます重要なテーマとなっています。
調査概要とシニアランキング
このランキングは、Great Place To Work® Institute Japanによるもので、2023年7月から2024年9月にかけて行われた調査を基にしています。657社が参加し、働きがい認定企業から特にシニア従業員の働きがいが高い企業を選出。DHLの他には、日本シノプシス(中規模部門)、シック・ジャパン(小規模部門)がそれぞれ1位を獲得しました。
シニア従業員の働きがいが高い企業には共通の特徴があり、特に「人事処遇が公正」「安心して働ける環境が整っている」「年齢や性別に関係なく働きがいを感じられる」の三点が重要です。
DHLがシニアに支持される理由
DHLジャパンがこのシニアランキングで成功する背景には、いくつかの具体的な取り組みがあることがわかりました。社長のトニー・カーン氏によれば、同社は「人への投資が最大の成果を生む」という理念のもと、シニア従業員に対しても公平な人事処遇が行われています。
1.
年齢による制限なし: シニア従業員に対して、年齢による役職定年制度を設けておらず、長年の経験を次世代へと伝える文化が根付いています。
2.
継続的な学習機会: DHLでは「CISパスポート」という制度があり、全社員が自己成長に対する意欲を持ち、業務スキルを向上させるための教育が受けられます。
3.
社内公募制度: 社内のポジションに応募する際、年齢を記入する必要はなく、能力と意欲に基づいて評価されるため、シニア層でも新たな部署での活躍機会が広がっています。
4.
内部昇進の重視: マネジャーのほとんどが社内からの昇格で、社員は努力次第でキャリアアップが可能という安心感を持つことができます。
シニア層の連帯感と全世代の働きがい
DHLジャパンの文化には「DHL for ALL」という理念があり、性別や年齢に関係なく全社員に平等なチャンスを与える環境を築いています。この取り組みは他世代の若手従業員にとっても良い影響を与え、高い働きがいを得られる要素となっています。
さらに、シニア従業員の活躍が若手にとってのロールモデルとなり、「自分も年齢に関係なく挑戦できる」という意識を持つきっかけになっています。この好循環により、DHLジャパンは全体的に高い働きがいを実現しました。
結論
シニア従業員が活躍できる職場作りは企業の社会的責任であり、DHLジャパンの取り組みは他企業のモデルとなり得ます。社員全員が公平に評価され、新たな挑戦を続けられる環境を築くことで、世代を超えた信頼関係と高い働きがいを育むことができるのです。今後もシニアが安心して仕事を続けられる環境の整備が必要とされていくでしょう。