日本ライフセービング協会(JLA)が派遣した日本代表選手団が、オーストラリア・ゴールドコーストで行われているライフセービングの世界選手権大会であるLifesaving World Championships 2024(LWC2024)で、SERC(シミュレーテッド・エマージェンシー・レスポンス・コンペティション)競技において、初めての優勝を果たしました。競技は2023年8月28日に行われ、オープンカテゴリーでの日本チームの活躍が光りました。
SERC競技は、架空の緊急事態に対処する能力を試すもので、リーダーの指示のもとで4人1チームが2分間で対応するという緊張感あふれる内容です。日本代表として出場した選手は上野凌選手、西山俊選手、三井結里花選手、森下広大選手の4名。森下選手はチームのリーダーとして初めての大会に挑み、全24カ国のチームの中で293.50ポイントを獲得し、見事に優勝を果たしたのです。
競技は相互に審査される形式で、各チームは同じシナリオに基づいて評価されます。日本チームの特筆すべき点は、その迅速な対応力と正確なアプローチでした。上野選手はリーダーの指示に従い、気になる事象に速やかに駆けつけ、西山選手は自力で陸に戻れない遊泳者を丁寧に助けました。また、三井選手は遊泳者への迅速なアプローチでチーム全体の動きに貢献したのです。
国内では、約4年前から新たにSERC競技会が開催されるようになり、今回の大会に参加した田中えりか審判員もそのプロジェクトの一環として活動してきました。彼女はLWC2024で審判として日本代表の活躍を目の当たりにし、優勝の知らせに涙を流しながら喜びを分かち合いました。
植木将人監督は、「このSERC競技はライフセービングの象徴であり、一歩進んで金メダルを獲得できたことは大変意義深い」と語り、チームの団結力と努力がこの結果を生んだと強調しました。彼は日本チームの良好なチームワークが、今後のプール競技やユースチームにも良い影響を与えるだろうと期待を寄せています。
同日、オープン代表の他にユース日本代表も出場し、16チーム中の7位という成果を収めました。ユースチームは今後、オーシャン&ビーチ競技に参加予定であり、今後の展開が楽しみです。
公式YouTubeチャンネルでは大会の模様をライブ配信しており、結果や競技エントリーはLiveheatsで確認できます。大会の詳細については、LWC2024の公式ウェブサイトで情報を入手することができます。
ライフセービングジャパンの選手団は、株式会社三洋物産や株式会社三洋販売、アルコインターナショナル社など、多くの関連企業からの支援を受けて、この大会に臨んでいます。彼らの奮闘と努力が実を結んだ今大会の結果は、日本全体を活気づけるものであり、ライフセービングが今後一層注目されることを期待しています。