両立不安の実態
2025-11-04 15:58:58

男性にも広がる「両立不安」が新たな社会的課題に

仕事と子育て、両立不安という新たな課題



2025年11月4日に公開される予定の『両立不安白書2025』では、仕事と子育てを両立させることに対する不安が依然として6割にのぼるとの調査結果が示されています。スリール株式会社が実施したこの調査は、男女1,278名を対象に行われたものであり、特に注目すべきはこれまで「女性の問題」とされていた両立不安が、男性にも広がっているという点です。

男女共通の課題として浮上



調査の結果、男性の57.3%、女性の72.3%が仕事と子育ての両立に不安を感じていることが明らかに。さらに、子どもがいない男女においても、女性の半数、男性の3分の1が両立不安を抱えていることが確認されました。

仕事と子育ての両立は、もはや性別に特有の問題ではなく、社会全体の構造的な課題として捉え直す必要があります。男性は「育児に関わりたいが仕事も手放せない」「生活を支えなければならない」と葛藤しており、女性は「心身の余裕がなく、プレッシャーを感じる」という声が多いのが現状です。

転職を考える人々



調査結果から見ると、男性の66.3%が両立不安を理由に転職や退職を考えたことがあると答えた一方、女性の2人に1人も同様の経験を持っています。特に、子どもがいる女性ではその割合が65.0%に達しており、11.5%が実際に離職しています。妊娠や出産を経験した女性は、ライフイベントをきっかけに自らのキャリアを見直す傾向が強く、制度の有無だけでなく、職場環境や周囲の理解が大きな影響を及ぼしていることが分かります。

企業の課題と必要な改革



調査から得られた結果は、男女ともに両立不安が根強く残ることを示しており、この問題は企業にとっても重要なテーマです。特に、両立支援制度の整備に加え、キャリア形成をサポートする柔軟な環境が求められています。組織には、職場の文化や評価システムが影響しており、これが社員の勤務意欲ややりがいに直結します。このような背景を踏まえた上で企業は両立支援のみならず、自身の成長やキャリアアップを促進する制度の創出が求められています。

組織文化と職場環境の重要性



両立不安を抱える社員が自らのキャリアを持続的に築くためには、職場文化の改善が必要です。具体的には、マネジメントが負担と責任のバランスを適切に調整し、全社員が時間に制約がある中でも活躍できる場を創出することが重要です。本調査の結果を受け、企業は「ただ働き続けられる場」とするのではなく、誰もが活躍できる環境を実現することが求められています。この取り組みは、男性と女性が共に支え合い、高め合う社会の実現に向けた一歩となります。

結論と未来への展望



スリール株式会社の代表取締役、堀江敦子氏はこの調査結果を受け、「両立不安は個人の努力だけでは解決できない構造的な問題であり、社会全体でのアプローチが必要だ」と述べています。制度が整備されていても、安心してその制度を活用できる雰囲気がなければ意味がありません。両立支援と活躍支援を両輪として整えることが、企業の競争力や社会の持続可能性を高めるための鍵であると考えられます。私たちは、個々人が安心してキャリアを築ける社会を実現していくべきです。

会社情報

会社名
スリール株式会社
住所
電話番号

トピックス(ライフスタイル)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。