マウザー・エレクトロニクスは、このたびROHM株式会社が開発したTLR377GYZ CMOSオペアンプの取り扱いを開始しました。この製品は、高性能かつ小型化を両立させたデバイスとして注目を集めています。サイズはわずか0.88mm x 0.58mmと非常にコンパクトで、特にスマートフォンやIoTデバイスなどの用途において、温度や圧力、流量といったセンサ信号を効率的に増幅するために設計されています。
TLR377GYZオペアンプは、ROHMが持つ独自の回路設計技術やパッケージ技術を駆使し、従来製品よりも約69%も小型化されました。さらに、最大オフセット電圧は1mV、入力換算雑音電圧密度は12nV/√Hzと、非常に低い数値を実現しています。また、ボールピッチが0.3mmというWLCSP(ウェハー・レベル・チップ・スケール・パッケージ)を採用することで、設置スペースの省力化も可能になっています。
特筆すべきは、このオペアンプに内蔵されたシャットダウン機能です。この機能により、動作をセンシングのみに限定でき、待機電流を最大1.5µAまで抑えることが可能です。これにより、バッテリー駆動のデバイスにおいても効率的に運用できます。
また、TLR377GYZオペアンプの性能を試すための評価ボードTLR377GYZ-EVK-001も用意されています。この評価ボードには、2.4mm x 2.4mm x 1.0mmのPCB上にTLR377GYZオペアンプがあらかじめ組み込まれており、SSOP6パッケージの代替として使用することができます。これにより、ユーザーは既存の設計の中でオペアンプの評価を行い、実際の製品に組み込む際の参考にすることができます。
マウザーは、世界中のエンジニアや開発者に向けて、さまざまな半導体や電子部品、産業用オートメーション製品を幅広く取り扱っています。正規代理店として、100%認定済みの純正品を迅速に提供し、トレーサビリティも確保されています。また、同社のウェブサイトでは、製品データシートや技術情報、リファレンスデザインなどの技術リソースも提供しており、エンジニアがより迅速に設計を進める手助けをしています。
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マウザー・エレクトロニクスの特筆すべき点は、そのグローバルなサポート体制です。28か所に配置されたサポートセンターは、現地の言語や通貨、時間帯に合わせたサービスを提供しており、顧客の利便性を確保しています。最新の物流センターも整備されており、223カ国以上に向けて迅速な製品発送を行っています。
ROHM株式会社は、広範な電子機器向けの半導体や集積回路を設計・製造しており、その製品ポートフォリオはオーディオICやイメージセンサ、LEDなど多岐にわたります。このように、マウザーとROHMの提携により、新たな技術と製品の提供が可能となり、エンジニア達の設計開発を加速させることが期待されています。公式サイトにおいて、TLR377GYZ CMOSオペアンプの詳細情報や購入についても確認できますので、ぜひチェックしてみてください。