異なる喫煙スタイルから見るホテル利用実態と課題

酒類喫煙者のホテル利用実態調査とは

株式会社エルゴジャパンは、喫煙者の宿泊環境に関する「紙巻たばこ」と「加熱式たばこ」の2種類の喫煙者に焦点を当てた調査を行いました。この調査は、両者のホテル宿泊時の意識や行動にどのような違いがあるのか、また共通している課題は何かを探ることを目的としています。

調査の背景

昨今、非喫煙者に対する配慮が一層求められる中、ホテル業界における喫煙室や禁煙室の設置は重要な課題とされています。加熱式たばこの普及に伴い、従来の紙巻たばこに比べて喫煙者のニーズも変わってきました。そのため、今回の調査を通じて、より良い宿泊環境の実現に向けたデータを提供することを目指しました。

調査対象者と方法

調査には、紙巻たばこ喫煙者360名、加熱式たばこ喫煙者359名、計719名を対象としました。各対象者は、ホテルに滞在する際の喫煙に関する意識や行動についてアンケートに回答しました。

調査結果の概要

調査の結果、両者にはいくつかの共通点が見られました。まず、ホテルの利用頻度については、紙巻たばこ喫煙者の43.6%が年1回以下であるのに対し、加熱式たばこ喫煙者では35.1%の人が同様の利用頻度と回答しています。いずれの喫煙者も、宿泊先の喫煙可否に対して高い関心を抱いています。具体的には、紙巻たばこ喫煙者の76.7%、加熱式たばこ喫煙者の75.8%が、客室の喫煙可否を「重要」と考えていることがわかりました。

喫煙ルームと禁煙ルームの選択理由

次に、喫煙ルームの利用頻度や禁煙ルームを選ぶ理由について質問したところ、紙巻たばこ喫煙者の45.8%が毎回喫煙ルームを利用しないと回答しました。禁煙ルーム選択理由のトップは「館内の喫煙スペースが十分」と「煙草の臭いが気になる」が挙げられました。加熱式たばこ喫煙者についても似た結果が得られ、こちらの理由も煙草の臭いが最も多く、さらには館内の喫煙スペースがあることが大きな要因となっています。

禁煙ルームでの喫煙行動

特に注目すべきは、禁煙ルームにおける喫煙行動の実態です。紙巻たばこ喫煙者の約11.9%は禁煙ルーム内で喫煙経験があり、加熱式たばこ喫煙者でも28.7%が同様の行動をとっています。この結果は、禁煙室に宿泊しながらも実際には喫煙していることを示しており、ホテル業界が直面する大きな課題です。

分煙対策の重要性

調査結果からは、ホテル業界における分煙対策が急務であることが浮き彫りになりました。喫煙ブースの整備や、それに伴う設備投資、運営方針の見直しが求められるでしょう。また、非喫煙者への配慮も忘れてはならない大切な視点です。今後は、どのように喫煙者と非喫煙者の双方のニーズに応えていくかが、ホテル業界の発展にとって重要な課題となります。