大阪府柏原市に世界最大の精度検証センターが誕生

大阪府柏原市に世界最大のドップラー・ライダー精度検証センターが開設

株式会社JTOWERとメトロウェザー株式会社が共同で、大阪府柏原市に日本初、かつ世界最大となるドップラー・ライダーの精度検証センター「柏原精度検証センター」を設立しました。このセンターは、JTOWERが所有する通信鉄塔を使用して高精度な風況観測を行うもので、今後の技術開発・研究の基盤となる意義深い施設です。

ドップラー・ライダーとは？

ドップラー・ライダーは、大気中の微細な塵に無害な赤外線レーザーを照射し、その反射波を受信することで三次元の風況を観測します。最大半径15kmの範囲をカバーできるこの技術は、風況観測だけでなく、物体検知技術の研究開発にも力を入れています。将来的には高性能で小型化されたドップラー・ライダーの量産化も目指しています。

柏原精度検証センターの開設背景

メトロウェザーは、ドップラー・ライダーを用いたリアルタイム風況観測技術の開発を進めており、米国NASAや防衛省等との共同研究プロジェクトにも参加しています。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「ディープテック・スタートアップ支援基金」の支援を受け、精度検証センター設立の決定に至っています。選ばれた柏原市のJTOWER鉄塔は、高さ、立地条件から精度検証に最適です。

精度検証センターの特徴

柏原精度検証センターでは、鉄塔に設置した超音波風向・風速計とカップ式風速計を用いてドップラー・ライダーの観測値を詳細に検証します。これにより、IEC61400-12-1規格に準拠した精度検証が実施され、より高精度なデータの取得が可能となります。センターの特徴として、既存の通信鉄塔を利用することで新たな設備投資を抑え、迅速に検証業務を開始できる点が挙げられます。

研究と社会への貢献

JTOWERとメトロウェザーは、連携を強化し、ドップラー・ライダーの社会実装を進めることで、世界の安全・安心に寄与していく姿勢を持っています。新たな技術がもたらす利便性や知識は、今後の防災や環境 monitoring など、さまざまな分野に影響を与えることでしょう。その成果が期待される今後の動きに、目が離せません。