外食産業の新たな潮流：セルフオーダー利用実態調査の結果

外食産業の新たな潮流：セルフオーダー利用実態調査

最近、インパクトホールディングス株式会社が傘下のRJCリサーチによる全国規模の「セルフオーダーに関する調査」を実施し、外食産業における最新の消費者動向を明らかにしました。20歳から69歳までの2,000名を対象としたこの調査は、特に若年層とシニア層におけるセルフオーダーへの態度の違いが顕著に示されました。

調査の概要

調査の結果、全体の約90%の人々がセルフオーダーシステムを利用した経験があると回答。特に60代以上の層では、未利用者が約20%を占めており、世代による利用経験の差が浮き彫りとなりました。また、若者には自分のスマートフォンによるセルフオーダーが人気である一方、シニア層は卓上端末を好む傾向にあることが示されています。

セルフオーダー方式の嗜好

調査において最も支持されたセルフオーダーの方式は卓上端末で、その支持率は76.2%に上りました。特に20代では、自身のスマートフォンを使用するスタイルが注目されていました。しかし、60代以上はセルフオーダーに対する心理的抵抗感から、その利用が進んでいないことが分かります。

世代ごとの利便性の比較

各世代の消費者が卓上端末を利用する際に便利と感じる点が異なります。20～30代の女性は「店員と会話せずに注文できる」点を重視し、高評価を得ていますが、50〜60代の男性層は対人サービスの重要性を強く感じており、外食における「会話」を重んじる傾向が見られました。

不満点については、「タッチパネルの反応の悪さ」や「操作説明の難しさ」が指摘されており、特に高齢者層でその傾向が顕著でした。つまり、年代によって求める利便性や不満の種類が異なるため、外食企業はフレキシブルな対応が求められます。

利用シーンのニーズ

卓上端末を希望するシーンとしては、ファミリーレストランと回転寿司が人気を集めました。利用者は複数人での食事の際に、他者との相談を交えながらのオーダーを好む傾向があるようです。そのため、卓上端末の利便性が特に活かされる場面であると考えられます。

まとめ

今回の調査を通じて、セルフオーダーは効率的な外食体験を促進する一方で、世代や性別による求める価値が大きく異なることが明らかになりました。特に、若年層は効率性や非接触性を重視するのに対し、シニア層は接客による安心感や癒しを求める傾向が見受けられるため、店舗側はこうしたニーズに応じた設計やサービスの提供が肝心です。

この調査は、利用者の観点から外食産業におけるセルフオーダーシステムの普及と発展に寄与することを目的としています。