電力データを活用した居住支援の実証実験
株式会社東光高岳と特定非営利活動法人抱樸(ほうぼく)は、電力使用量データを活用した居住支援サービスの提供に向けたPoC(実証実験)を開始し、2024年10月15日から2025年2月28日までの間、福岡県北九州市において40軒を対象に実施しました。この取り組みは、電気の使用量を基に居住者の生活状態を把握し、体調の変化をトラッキングすることを目的としています。
実証実験の概要
実証実験は、入居者の日常生活を数値化し、そのデータを元に体調不良の予兆を察知することに重点を置いています。具体的な目的としては、三个のポイントが挙げられます。
1.
生活パターンの把握: 入居者のアウトドア活動や家電使用の変化から体調不良を早期に検知する手法を確認。
2.
見守りと生活支援の効率化: 特に単身生活者に対する見守りの負担を軽減する手法を検討。
3.
アプリ利便性の検証: 提供するアプリケーションがユーザーにとって利便性が高いかをテストします。
この実験には、抱樸が情報提供や検証参加者への対応を行ない、東光高岳がデータ収集に必要なWEBアプリケーションを提供します。また、エクサはAI分析エンジンの開発・改良を担当します。
主な結果とその影響
実証実験の結果、以下のような成果が得られました。
- - 体調の予兆把握: 電力使用や外出頻度、睡眠時間の変化を通じて、居住者の生活パターンが見えてきました。これは体調不良や怪我の発見に繋がる重要な情報です。
- - 非見守り時間の行動把握: 見守りの時間外における状況を確認することで、より効率的な支援が可能となります。
- - 訪問時のコミュニケーション向上: データを通じて居住者の状況を理解し、訪問時に深い話し合いが行えるようになります。
これにより、見守りサービスの労力が軽減される期待が寄せられています。
課題と今後の展開
しかし、実証実験にはいくつかの課題も残されています。AI分析エンジンの精度向上が必要で、特に生活パターンが多様な場合や、家電使用時の行動推測が難しいことが課題となります。また、WEBアプリケーションの通知機能の精度も引き続き向上が求められています。このフィードバックを受けて、抱樸は国土交通省のモデル事業に応募予定で、採択されれば、今回のPoCと同様の環境を提供予定です。
このように、電力使用量データを活用した居住支援サービスは、今後ますます進化し、地域の皆さまの生活を支える重要なサービスとなることでしょう。