王子ホールディングスのデジタルトランスフォーメーションとDomo導入の背景
王子ホールディングス株式会社は、1873年に創業した日本最古の製紙会社であり、150年にわり産業の変革を続けてきました。現在では国内94社と海外123社を展開し、2010年以降は海外事業を重点的に強化し、2024年度には全体の売上高の40%以上を海外からもたらす見込みです。国内市場が少子高齢化やデジタル化によって厳しい環境にある中、王子ホールディングスは経営のスピードとグローバル競争力を強化するために、デジタルトランスフォーメーション(DX)に注力しています。
Domo導入の動機
王子グループの国際的な展開が進む中、海外の拠点ではすでにダッシュボードを用いたデータの活用が浸透していますが、国内では依然としてExcelによるやり取りが主流で、データ活用が不十分でした。この状況では経営会議に資料作成に6割以上の労力が割かれ、効率的な意思決定が妨げられていました。このため、経営判断の迅速化と業務改善を図るため、Domoという全社用データ活用プラットフォームを導入することが決定されました。データを素早く可視化し、実務に適応させるというアプローチが評価され、最初の2ヶ月で1万2000人の社員が活用する成果を上げました。
Domo導入の具体的な施策
王子ホールディングスのデジタル関連の責任者であるCEOの磯野裕之氏は、経営会議でのデータ活用を進めるため、Domoダッシュボードの利用を2025年4月から開始する方針を掲げました。具体的には、データをさまざまな形式から簡単に取り込むことができ、短期間で実務に役立つプラットフォームを整備できる点がDomoの強みです。
この施策の一環として、王子ホールディングスでは経営ダッシュボードの活用を進め、各グループ会社にDX推進担当を設けるなど組織体制を整備。推進部がレベルに応じた教育を行い、CEOからのメッセージ動画を通じて経営層の意志を社内に伝えることによって、社員のデータ活用の意識を高めていきました。こうした包括的な取り組みにより、短期間で多くの従業員がDomoを活用できる環境を整えました。
経営者のコメント
王子ホールディングスの執行役員である藤川健志氏は、Domo導入からわずか3週間で社員が自ら作成した営業ダッシュボードを見て非常に驚いたとコメントしています。その反響から、会社が求める『間口の広い』ツールとしてのDomoの重要性が改めて強調されました。これにより、スピード感を持ったデータドリブンな企業文化が醸成されることとなりました。
今後の展望
今後、王子ホールディングスはDomoを通じて、データ活用を企業文化の一部としてさらに根付かせるための新たな役職「データアンバサダー」を設ける考えも示しています。この役職は社内のさまざまな部門間に橋渡しをし、全社的なデータ活用の促進を目指します。これにより、ビジネス環境の変化に対応するためのさらなるDXの促進が期待されているのです。
王子ホールディングスのDomo導入は、デジタル時代における企業の競争力を高める事例として、今後の展開に注目が集まります。