難病対策のSDGsを考えるシンポジウムが開催
一般財団法人栩野財団が主催するイベントが、2023年10月22日に国立京都国際会館で行われます。このシンポジウムは、患者・市民参加(PPI)企画として、難病患者の質の高い医療確保と療養生活の質を向上させるための取り組みを考察するものです。難病法の概要について触れながら、参加者が積極的に討論を行い、難病患者支援に向けた新たな道筋を探ることを目的としています。
難病法の制定とその影響
難病法は平成26年に施行され、難病を「発症機構不明、治療法未確立、希少、長期の療養を要するもの」と定義しています。この法律は、医療の適正化や患者の生活品質向上、さらには国民全体の健康向上という大志を抱いています。設立当初は110疾患であった指定難病の数は、今や330疾患にも拡大しましたが、その一方で、指定難病化の道は狭まりつつあります。
SDGsとの関連性
難病法が制定されたのと同じ年に、国連で持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。このSDGsは、誰一人も取り残されることのない社会を目指しており、地球規模での様々な取り組みを促進しています。本シンポジウムでは、難病対策がいかにSDGsの理念に沿った形で進められるかを議論します。特に、製薬業界や患者、学術界など異なる立場から集まった専門家たちと共に、難病患者の支援における役割を考えていきます。
TGCVをモデルにした討論
中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)という難病が、本シンポジウムでの主要な議題です。TGCVは、日本国内で発見された心臓疾患であり、原因が不明で治療法も確立されていません。TGCVに関わる患者たちは、640名に及び、その中には多くの方が未診断のままという現状があります。このような状況を解決するため、参加者は情報の共有や連携の重要性を認識し、実行に移す方法を考えます。
イベントの詳細
「難病患者への良質、適切な医療の確保と生活の質の維持・向上」をテーマに、シンポジウムは13:30から15:00まで行われます。参加は無料ですが、事前の参加登録が必要です。このシンポジウムでは、講演やパネルディスカッションを通じて、患者と市民の声を届け、難病対策の新たなアイデアを生み出す場となります。
参照リンク:
栩野財団ウェブサイト から詳細情報を確認してください。
まとめ
難病とSDGsの関連性を考えるこのシンポジウムは、社会的な連帯を強化し、難病患者の支援をどう進めるべきかを共に考える貴重な機会です。患者と市民が共に参画することによって、今後の難病対策がより設計されることを期待しています。