超音波AIとマグロ
2025-04-09 18:05:13

新たな次元のマグロ選別!超音波AI装置が開発される

静岡 発の革新技術



静岡県に本社を置くソノファイ株式会社が、富士通とイシダテック、東海大学との共同研究によって、世界初となる冷凍ビンチョウマグロの脂のりを非破壊で判定するAI搭載検査装置「ソノファイT-01」を開発しました。この革新的な装置は2025年6月から国内で販売が開始され、順次グローバルにも展開される予定です。

マグロ市場の現状と課題



最近の日本食ブームによって、マグロの漁獲量は20年間で25%増加しています。その中でもビンチョウマグロは、安価で安定供給が可能であるため、外食産業において高い需要があります。しかし、脂のりの判定は従来職人の目視に頼っていたため、多くの時間と人手が必要で、しかも熟練の職人不足が深刻な問題となっています。その結果、ビントロと呼ばれる高付加価値商品の流通が阻まれる要因となっていました。

ソノファイT-01の特長



この新しい自動検査装置は、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」に基づく超音波解析AI技術を採用しており、高精度な脂のり判定を実現します。従来の尾切り選別に比べて、検査作業を最大80%省力化し、検査時間も短縮されます。具体的には、1本あたりの検査時間が最短12秒程度にまで短縮され、従業員の労力を大幅に削減します。

また、従来必要だった尾部分の切断や解凍を行わずに、冷凍状態のままで検査が可能となります。この技術により、高価格製品が適正価格で流通しやすくなり、水産業の活性化につながると期待されています。

実証実験の成果



ソノファイ、イシダテック、富士通は、実証実験を通じて、超音波解析AI技術の性能を検証しました。2024年1月から3月には、実際の加工現場での試験を行い、処理速度や判定精度などが確認されました。これにより、装置が従来の選別方法よりも高精度であることが証明されました。

将来の展望



ソノファイ、イシダテック、富士通は、2025年6月に東京ビッグサイトで開催される「FOOMA JAPAN 2025」において本装置を出展予定です。今後は、脂のり検査だけでなく、鮮度や身質の判定機能も追加し、対応する魚種も拡大する計画があります。さらに、体長や体重の計測機能も搭載し、水産資源の管理に寄与することを目指しています。

地域からの期待



この技術は、静岡県の水産業においても大きな注目を集めています。静岡県の鈴木嘉友知事は、この装置が持続可能な水産事業の実現に貢献することに期待を寄せています。また、東洋冷蔵株式会社の加藤得裕執行役員も、この技術の導入による効率化や品質向上を期待しています。

ソノファイの開発した「ソノファイT-01」が、今後の水産業をどのように変革するのか、その動向が注目されます。


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会社情報

会社名
富士通株式会社
住所
神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
電話番号

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