日本電気硝子が全電気溶融炉で医薬品用ガラスの量産を開始

日本電気硝子、医薬品用ガラスの革新を実現

日本電気硝子株式会社（以下、NEG）は、医薬品容器用管ガラスの量産を2025年12月から開始すると発表しました。この革新的な取り組みは、グループ会社であるNippon Electric Glass (Malaysia) Sdn. Bhd.の施設において行われ、世界初の全電気溶融炉を使用することで実現されます。

CO₂排出量を最大90%削減

この全電気溶融炉技術により、医薬品用ガラス製造における二酸化炭素（CO₂）排出量を最大90%削減することが可能です。この成果は、医療業界におけるカーボンニュートラルの実現に向けた重要な一歩となるでしょう。NEGはこのプロジェクトを通じて、ガラス製造の分野での技術革新を進め、医薬業界の持続可能な発展を支援します。

環境に優しい製品

NEGが製造する医薬品容器用管ガラスは、ホウケイ酸ガラスで作られ、優れた耐熱性や耐薬品性、光学的透明性を持っています。このため、バイアルやアンプルなどの医薬品用容器だけでなく、近年需要が急増しているシリンジやカートリッジといったバイオ医薬品製剤にも広範に利用されています。

GLP-1製剤市場の拡大

特にGLP-1製剤に関しては、市場が年間約33%の成長を見せており、これに伴いシリンジやカートリッジの必要性も高まっています。NEGは、この環境に優しい全電気溶融炉を使用して高品質な製品を提供することで、世界中の医療市場の期待に応え、さらなるビジネス拡大に繋げるつもりです。

革新的な全電気溶融炉技術

全電気溶融炉は、NEGが独自に開発した「NEG Electric Melting Technology（NEMT®️）」を採用しており、電極をガラスに直接挿入し通電によって加熱と溶融を行う技術です。これによりエネルギーの効率利用が可能となり、燃焼による排熱も抑えられ、環境負荷の軽減が期待されます。

NEGのコンシューマーガラス事業を担当する和田正紀役員は、「全電気溶融炉による医薬品用ガラスの量産開始は、当社にとって重要な節目であり、持続可能な製品の提供を通じて医薬業界への貢献ができると確信しています」と述べています。

日本電気硝子の会社概要

日本電気硝子株式会社は、滋賀県大津市に本社を構え、特殊ガラス分野で世界的な地位を有する企業です。70年以上の歴史を持つ当社は、新機能を持つ特殊ガラスを製造し、半導体や医療、エネルギーなど多岐にわたる領域で活躍しています。今後もこのような革新技術を駆使し、持続可能で価値の高い製品を提供していくことでしょう。詳細はこちら