「AIによる概要」利用実態調査から見える検索行動の変化
ナイル株式会社(東京・品川)は、全国の20~60代の男女752名を対象に「AIによる概要(AI Overviews)」の利用実態を調査しました。この詳細な分析からは、ユーザーがどのように情報を収集し、AIの情報をどの程度信頼しているのかが明らかになりました。
調査結果の概要
「AIによる概要」を常に読むと答えたユーザーはわずか10.5%で、大多数は状況に応じて利用していることが分かりました。特に20代では「必ず読む」傾向があり、40代以降は補助的に利用する傾向が強いことが特徴的です。これは若年層がAI情報を積極的に取り入れる一方で、中高年層は依然として伝統的な検索行動を重視していることを示しています。
AI概要の情報の正確性への疑念
AIから提供される情報を参考にした後、約7割のユーザーが通常の検索結果をクリックしています。主な理由は「情報の正確性を確認したいから」とされ、これはAIへの完全な信頼がまだ確立されていないことを示唆しています。また、企業や商品についての情報を後から検索したユーザーは約半数に上り、「AIによる概要」はユーザーの行動を直接促すというよりも、興味を引き起こす存在であることが浮かび上がります。
年齢別の利用傾向の違い
年齢層ごとの調査では、20代が「ほぼ必ずクリックする」と回答する割合が30%を超えており、年代が上がるとこの割合は低下します。特に40代以降では、他の情報源に頼る傾向が強見られ、「AIによる概要」はあくまで補助的な役割に留まっています。これにより、若年層は柔軟な情報収集ができている一方で、シニア層はAI情報に対する自信が薄いと考えられます。
情報収集の過程としてのAI概要
調査によると、検索を行ったユーザーの多くがAIによる概要だけでは解決できないため、さらなる情報収集を行っています。約65%が「状況によってクリックする」と回答し、その理由も情報の正確性を確認するためであると明言しています。このことは、AIの情報が非常に便利である一方で、その内容には限界があることを示しています。
参照元サイトへのアクセス
AIによる概要で紹介された参照元サイトを訪問した経験があるユーザーは、全体の半数以上にのぼります。多くの場合、ユーザーはAIの情報を裏付けるため、特に「根拠の確認」を目的としてこれらのリンクにアクセスしています。これは、AI情報が不完全であるという認識が広がりつつあることを示しています。
今後の展望
今後、企業は「AIによる概要」における情報の提示方法を再考し、自社の情報がどの文脈で表示されるかが重要です。AIが生成する情報が安全に利用されるためには、ユーザーに信頼されるコンテンツの提供が不可欠です。AIが情報の出発点であっても、ユーザーは最終的な判断を下すため、他の情報源にアクセスする必要があると認識しています。これにより、企業はユーザーの信頼を得るための努力を怠らないことが求められます。
この調査の結果から、「AIによる概要」が検索行動を完全に代替することはないものの、情報の収集プロセスにおいては重要な役割を担っていることが再確認されました。ユーザーはAIを起点に情報を深める姿勢を持ちつつ、常に信頼性を確認し続けているのです。
まとめ
ユーザーの情報収集行動は変わりつつあり、AIによる概要が必要である一方、その信頼性に対する懸念が残ります。AI情報を利用する際には、状況に応じて使い分ける賢さが求められています。これを踏まえた上で、企業の情報発信の在り方を見直すことが、今後の戦略の鍵となるでしょう。