2023年10月食品価格の急騰とその影響
2023年10月、主要な食品メーカー195社が発表したデータによると、家庭用を中心とした飲食料品の値上げが2911品目に達し、これは今年最大の値上げラッシュとなりました。特に目を引くのは、「酒類・飲料」が1年ぶりに1000品目を超えたことで、全体の46.8%を占めています。この影響で、多くの家庭が日常消費における支出増加を実感していることでしょう。
10月の値上げの特徴
10月の値上げでは、加工食品やPET飲料が中心で、ハムやソーセージ製品も一斉に値上げされました。値上げの平均率は16%に達し、前年同月比ではなおも低調でしたが、酒類の値上げがなかったため、前年の高騰に比べて抑えられています。
特に菓子製品では、237品目の中で半数以上がチョコレート関連という結果も出ています。この背景には、カカオ豆といった原材料の価格高騰や気候変動による不作が影響しています。
2024年の見通し
帝国データバンクの予測によると、2024年の年間値上げ品目数は1万3000品目以下にとどまる見込みです。これは、前年の4割程度の水準での推移が期待されていますが、各企業の収益や消費者の購買行動は引き続き厳しい状況にあるとされています。
特に、食品トレーや瓶などの包装資材費用の上昇、物流費の高騰、さらに円安による影響が続いていることから、原材料の高騰に拍車がかかっています。2024年度の値上げ要因としては、原材料高が92.7%、物流費が68.6%、円安によるものが28.4%と多岐にわたります。
消費者行動の変化
消費者の反応としては、家計の実質所得が伸び悩む中で、購入点数を減らしたり、プライベートブランド(PB)商品に切り替える動きが見られます。これにより、企業は値上げを行うことが難しくなり、内容量の減少などで価格の維持を余儀なくされる傾向にあります。
結論
2024年に向けての展望は楽観視されているわけではありませんが、今後の食品価格動向に注意を払いながら、消費者としても賢い買い物を心がける必要があるでしょう。値上げのラッシュが続く中、どのようにして家庭の食費を管理するかが、今後の生活において重要なテーマとなりそうです。