戦後80年を迎えた歴史の物語
2025年、戦後80年、昭和100年、さらに六大学野球連盟100周年という特別な年が訪れます。この記念すべき年に、絶版書籍『学徒出陣 最後の早慶戦』の復刊を目指し、『最後の早慶戦』保存会が10月10日に発足しました。著者である松尾俊治氏の子孫を中心に立ち上げられたこの団体は、スポーツを通じて戦争や平和についての考察を深める活動を始め、クラウドファンディングによる資金調達もスタートしています。
散り行く球児たちの約束
この物語は、昭和18年10月16日、戸塚球場で開催された壮行試合の会場での感動的なシーンに始まります。試合後の勝利した早稲田の応援団が敗れた慶應側に向けて「ガンバレ、ガンバレ慶應」と声を掛け、慶應側が感謝の意を込めて帽子を振る場面は、今も語り継がれる伝説的な瞬間です。その場で互いを励まし合った選手たちは、「今度は戦場で会おう」と約束し、戦地へ旅立っていきました。このようなスポーツマンシップと人間の絆を象徴する場面が、まさに「最後の早慶戦」となりました。
松尾氏の証言にもある通り、戦場へ赴く人たちにとって、優勝や敗北そのものが重要ではなく、互いへの感謝と激励が何よりも心に残る体験だったのです。
現代への教訓
現在、ウクライナ情勢をはじめ、全球的な紛争が続いています。戦争を生きた世代が少なくなっている今、保存会のメンバーは「この記録は現在の読者に強く平和の尊さを訴えかける」と語ります。彼らは過去の教訓を未来に生かすための支援を呼び掛けており、書籍の復刊を通じて平和教育を推進していく考えです。
再発見される貴重な記録
『学徒出陣 最後の早慶戦』の復刊に向けた活動が始まり、17年間絶版だったこの本が再び日の目を見ることになります。2008年には映画化もされ、多くの人々の心を掴んだ物語は、今でも多くの感動と共鳴を呼んでいます。
後世に語り継がれる貴重な記録を得るため、松尾俊治氏の子孫たちが立ち上がりました。彼の言葉を受け継ぎ、戦後80年という節目に、我々はこの物語を未来に繋ぐ役割を果たします。
80年の時を経たバトンタッチ
プロジェクト代表の中野雄三郎氏は、祖父である松尾俊治氏から受け継いだ使命感について、「祖父の遺志を私たち家族が受け継ぎ、最後の早慶戦を決して忘れない」と語ります。中野氏は試合後の光景を回想し、「そこに早稲田や慶應の垣根はなかった」と振り返ります。このように、スポーツがもたらす絆の強さが、彼らの心の底に染み込んでいたことは言うまでもありません。
教育機関との連携
保存会は、書籍を通じて学校や図書館への普及にも重点を置いています。また、関連資料の公開や、各校との連携を図り、平和教育の教材としての役割を果たしていく発展的な取り組みも進めています。様々な組織との協力を通じて、『最後の早慶戦』の意義を広める活動を活発に進めていくことでしょう。共同の意義を認識し、未来の世代にも記憶に残る活動を継続していきます。
このように、『最後の早慶戦』保存会は、日本のスポーツ史において重要な意味を持つ物語を復活させ、そして受け継いでいくことを目指しています。歴史ある球児たちの約束を次世代につなげるため、さらなる支援が求められるのは言うまでもありません。私たちもこの活動を応援し、一緒に歴史の重みを感じながら、未来へ向かって進んでいきましょう。
詳しい情報は、
保存会の公式ホームページをご覧下さい。