毎年夏に提供される日本橋弁松総本店の定番「夏ちらし」が、2024年の販売を開始します。期間は8月3日から12日までと限られていますが、その味わいは一度食べたら忘れられないもの。特に特徴的なのは、濃厚な酢飯です。それに加え、茗荷や椎茸、海老など新鮮な具材がふんだんに散りばめられています。
また、弁松の自慢の一つ、玉子焼きや野菜の甘煮、そして人気の生麩を用いた「つとぶ」も含まれており、彩りと味のバランスが絶妙です。これらの料理は、江戸時代から続く甘辛の味付けが施されており、どこか懐かしい感覚を与えてくれます。この「夏ちらし」は、伝統を大切にしつつも新しい時代に合わせたお弁当で、毎年多くの人々に愛されています。
日本橋弁松総本店は、1850年の創業以来、長い歴史を有する日本最古の弁当屋です。そのルーツは、文化七年(1810年)に開店した「樋口屋」という食事処に遡ります。初代が魚河岸での盛りの良さが評判になる中、忙しい食事を終えられない客たちのために、残った料理を持ち帰りやすくするためのサービスを考案したことが、弁当専門店へと進化する第一歩となりました。
その後、三代目の樋口松次郎時代には、お客さんに「弁当屋の松次郎」と称されるようになり、屋号を縮めて「弁松」と名付けられました。時は進み、明治時代に入り高級よりの商品の開発も果たしましたが、関東大震災と戦争による二度の大火を乗り越え、今もその伝統を守り続けています。
弁松の商品をお求めいただく際は、以下の店舗での購入が可能です。日本橋三越本店、銀座三越、伊勢丹新宿店、大丸東京店、日本橋高島屋、新宿高島屋の弁松売り場や商品コーナーでお声掛けください。税込みで一折1296円というお手頃な価格も魅力です。
また、公式ウェブサイトやSNSでも詳しい情報を発信しているので、ぜひチェックしてみてください。公式サイトでは、弁松の商品情報の他にも、手ぬぐいやオリジナルグッズの購入ができるオンラインストアも展開しています。
この夏、江戸の面影が色濃く残る「夏ちらし」を是非ご体験いただき、伝統の味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。