三井物産、インドネシアLNGプロジェクトにて最終投資決定
三井物産はこのたび、インドネシア共和国西パプア州に位置するタングーLNGプロジェクトの拡張開発計画、いわゆるタングーLNG拡張計画に対して、最終投資決定(FID)を行ったことを発表しました。総額は70億米ドルにも及び、これは日本を含むアジア諸国へのエネルギー供給の安定化を図る重要な一歩となるでしょう。
プロジェクトの詳細
タングーLNGプロジェクトは、既存の施設をベースにさらなるガス供給能力を向上させることを目指しています。計画のキーとなる要素には、ウバダリガス田の新たな開発、CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)技術の導入、及び圧縮機の設置が含まれています。これにより、天然ガスの生産量は約3兆立方フィートの増加が見込まれています。
特に注目すべきは、CCUS技術がこのプランの重要な部分を占めている点です。インドネシアにおいて初の大規模なCCUS事業が遂行されることで、温室効果ガスの排出削減を図りつつ、天然ガスの増産を実現することが期待されています。
タングーLNG基地の現状
現状、タングーLNG基地は年間約1,140万トンのLNGを生産する能力を保持しています。この基地は、地域の経済活動とエネルギー供給の基盤を支えている重要なプロジェクトです。運営はbpとSKK Migasなどのコンソーシアムが行っており、出資企業の権益構成は複数の国際企業から構成されています。
以下は主な出資企業とその権益比率です:
- - bp: 40.22%
- - MI Berau B.V. (三菱商事、INPEX): 16.30%
- - CNOOC Muturi Limited: 13.90%
- - 日石ベラウ石油開発 (JX石油開発、エネルギー・金属鉱物資源機構): 12.23%
- - ケージーベラウ石油開発株式会社: 8.56%
- - Indonesia Natural Gas Resources Muturi Inc.: 7.35%
- - ケージーウィリアガール石油開発: 1.44%
今後の展望
2028年からは本プロジェクトの生産と稼働が順次開始される予定であり、これによりアジア諸国へのエネルギー供給がさらに拡充されることが期待されます。このプロジェクトの成功は、エネルギー転換期におけるサステナブルなエネルギー供給のモデルとなる可能性を秘めています。
インドネシアのエネルギー市場における成長を反映しながら、タングーLNGプロジェクトは、国際的なエネルギー協力の推進と環境技術の発展にも寄与することでしょう。