データの集積と競争政策が生む新たなビジネス革新への探求

経済産業省が立ち上げた「第四次産業革命に向けた競争政策の在り方に関する研究会」に、丸の内アナリティクスの代表である原田博植が招かれました。この研究会の目指すところは、現代のデジタル経済に対応し、データの集積と企業間の競争の関連性を深く掘り下げることにあります。

近年のデータ環境の変化

近年、私たちの生活は、ビッグデータと呼ばれる膨大な情報に囲まれています。このデータは、コンピュータ技術の進歩や人工知能の革新によって、以前には考えられなかった方法で処理・分析されるようになっています。こうしたデータの急増は、第四次産業革命の重要な要素とされ、企業が競争に勝ち抜くためには、その利活用が不可欠です。

研究会の背景と目的

本研究会は、競争政策、データの利活用・保護、知的財産という三つの重要な領域について、過去に開催された「横断的制度研究会」の結果を踏まえ、さらなる議論を展開するものです。平成28年にはオンライン関連事業に関する調査や欧米の競争当局への視察が行われ、そこで得た知見をもとに、報告書が作成されました。

その中で指摘されたのは、「情報の集積」がプラットフォーム競争の根源であるということです。この研究は、各国の競争政策に新たな視点を提供していますが、具体的に企業がどのようにデータを活用しているのかの詳細な考察はまだ行われていないのが現状です。

研究会の取り組みと目標

研究会では、以下の目標に向けて具体的な取り組みを進める予定です。
1. データの集積・活用に関する事例収集：様々な業界からの事例を幅広く集め、それを整理・類型化します。
2. 競争政策上の論点の整理：データがビジネス環境に与える影響を明確にし、競争政策に関する新たな論点を洗い出します。
3. 絶え間ないイノベーションの促進：欧米の議論を参考にしながら、公正で自由な競争がもたらすイノベーションのあり方について考え方を示します。

この取り組みの一環として、昨年公表した報告書に基づくアプリ市場の取引実態に関するフォローアップも行います。

委員紹介

この研究会には、東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学などの著名教授が参加しています。また、法律関連の専門家も含まれ、幅広い視点からデータ利活用の課題に取り組む予定です。特に、原田博植の参加は、データと競争政策の交差点における重要な知見が期待されます。

開催予定と今後の展開

研究会は月に一度行われ、初回は1月13日に予定されています。最終的には、これまでの議論をまとめた報告書が作成される予定です。この報告書が、今後の競争政策やデータ活用に関する議論に及ぼす影響は大きいと考えられています。

データ経済の発展には、適切な政策の策定が欠かせません。研究会が生み出す知見が、今後のビジネスの方向性を明らかにするための貴重な手がかりとなるでしょう。