2024年能登半島地震と電子数密度の関係
2024年に発生した能登半島地震について、京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授と、工学部4回生の山本信吾氏を中心としたグループが行った研究が注目を集めています。本研究は、地震前後の電子数密度の変化を探るもので、最新のデータが2026年1月1日に発表されました。
研究の背景
近年、地震と地震発生前の電離層の変化に関連性が指摘されています。特に、電子数密度の変化は、地震の兆候やそのメカニズムを解明する手がかりとなる可能性があります。今回の研究では、高速高精度三次元電離圏トモグラフィー(FCIT)という手法を用いて、地震発生直前のデータを収集しました。
追加実験の内容
追加実験では、能登半島地震の発生時刻に合わせて、電子数密度の変化を追跡しました。結果として、地震直前の04:30(UT)から07:00(UT)にかけて、高度250kmから375kmの範囲で電子数密度が増加したことが確認され、地震が発生する07:10(日本時間16:10)を境に急激な減少が観察されました。この結果は、2025年に発表された同様の研究結果とも一致しています。
修正データの発表
また、今回の実験により、2026年にリリースしたデータに対する修正も行われました。具体的には、能登半島地震震央直上における電子数密度の高度別プロファイルが更新され、07:00(UT)以降の電子数密度の急降下が示されました。特に、2024年1月1日に発生したX5.0太陽フレア以降のパルス状の変化についても新たなデータが得られました。
他地域との比較
さらに、研究チームは異なる地域での電子数密度の変化も比較しました。具体的には、2024年8月8日に発生した日向灘地震近くのデータも分析し、能登半島地震との違いを検討しました。日向灘地域では緯度が低いため、電子数密度は高いものの、地震の直前に見られたような急激な変化は観察されませんでした。この比較からも、能登半島付近の電離層特有の現象が示唆されます。
結論と今後の課題
以上のような結果より、能登半島地震付近の電離層には地震準備過程による急激な変化を引き起こす外部要因が存在することが考えられます。そのメカニズムの詳細を解明することが、今後の研究の大きなテーマとなるでしょう。特に、地震発生直前の電離層電子数密度の変化をさらなる実験によって検証し、信頼性の高いデータを蓄積していくことが求められています。
お問い合わせ
本研究に関する問い合わせは以下までお願いいたします。
京都大学大学院情報学研究科・教授
梅野健(うめのけん)
TEL:075-753-4919
E-mail:
[email protected]