新機能「UMIGO救助信号」の公開実験に成功
静岡県西伊豆町に本社を置く株式会社ウミゴーが開発した新しい安全管理ソリューション「UMIGO救助信号」が、12月3日、伊豆漁業協同組合下田支所との合同で公開実験を実施し、機能の検証に成功しました。このシステムは、釣りなどを楽しむ人々を対象に、緊急事態が発生した際に迅速に救助を求める手段を提供します。
開発の背景
釣りは人気が高いレジャーですが、その一方で常に危険が伴います。特に堤防からの落水は、発見が遅れると命にかかわる重大な事態になります。これまで安全対策として「柵を設置する」や「監視員を常駐させる」といった方法が考えられてきましたが、これらには高いコストが伴うため、実施が難しいのが現状です。そのため、「釣り禁止」とすることが選択肢として挙がることが多くなり、釣り文化や地域振興にとっては大きな障害となっていました。
このような課題を乗り越えるために誕生したのが「UMIGO救助信号」です。このシステムにより、万が一の際に周囲の人々に対して即座に救助を求めることが可能となります。
UMIGO救助信号の概要
「UMIGO救助信号」は、スマートフォンアプリのボタンをタップすることで救助信号を発信し、周囲の人々に一斉に通知する仕組みです。発令後は、発信者の位置情報がリアルタイムで更新されるため、救助に向かう人々はマップを頼りに救助活動を行うことができるのです。これは、堤防などの特定エリア内においてお互いに助け合う「共助」のシステムとして設計されています。
具体的な機能としては、次のようなポイントがあります。
- - 一斉通知機能: 要救助者が発信すると、運営管理者とエリア内の全利用者に即座に通知されます。
- - GPSによる位置情報共有: 落水者の位置情報は継続的に更新され、潮流に流された場合でもリアルタイムで把握できます。
- - シンプルな操作: スマートフォンを使ったシステムであり、必要な手続きは数ステップで完了します。これにより、誰でも手軽に利用可能です。
下田港にて公開実験を実施
公開実験は2025年12月3日に下田港にて行われ、落水した場合に他の利用者が救助に向かうシナリオや、運営管理者が救助を指示するシナリオを検証しました。実験を通じて、救助信号の受信者が迅速に行動を起こすことができるという実績が確認されました。伊豆漁業協同組合の関係者からは、「このシステムにより、声が届かない状況でも助け合いが容易になる。」とのコメントも寄せられています。
UMIGO救助信号が果たす役割
「UMIGO救助信号」は従来の安全対策とは異なり、スマートフォンから救助信号を発信することで、救助活動の時間を大幅に短縮し、救命率の向上を図っています。また、エリア内の全利用者に信号を同時に発信することで共助の体制ができ、海上保安庁などに依存する必要も減らすことが期待されます。
ただし、「UMIGO救助信号」は完璧な安全を保証するものではなく、状況によっては機能しない場合もあるため、事前の安全対策が重要です。しかし、このシステムは従来の安全管理の限界を克服する新たなアプローチと言えるでしょう。
会社情報:株式会社ウミゴー
株式会社ウミゴーは、静岡県賀茂郡西伊豆町に本社を置く海業スタートアップで、地域と連携しながら持続可能な海業の実現に取り組んでいます。コアサービスの「海釣りGO」では、釣り人と地域社会をつなげる新たな試みを進めており、2025年度以降は「UMIGO」アプリを通じてさらに多様なサービスを展開する計画です。
私たちの目指すのは、海業サービスの創造と地域の活性化です。今後の展開にぜひご期待ください。