矢野和男氏の新著:『データの見えざる手』
ビッグデータの研究において世界をリードする矢野和男氏が、彼の初の著書『データの見えざる手』を2023年7月16日に発表しました。この書籍は、日立製作所中央研究所での自身の長年の研究成果をもとに、科学とビジネスの接点を探る内容であり、多くの注目を集めています。
矢野和男氏の業績
矢野氏は、「ビッグデータ」という言葉がまだ広まっていなかった2006年から、人間の活動に関するデータの研究をスタートしました。特に、彼はウエアラブルセンサーの開発において先駆者的な役割を果たし、これを用いたデータ分析によってさまざまな新たな知見を得ました。この成果は、アメリカの『ハーバードビジネスレビュー』などでも紹介され、「歴史に残るウエアラブルデバイス」として評価されています。
書籍の内容
本書では、矢野氏による最新のビッグデータ分析が、どのように我々の生活や働き方に影響を与えているかについて詳しく解説しています。具体的には、以下のような新しい知見が取り上げられています:
- - 熱力学の法則と時間の使い方:人間の一日での時間の使い方は、熱力学の『熱効率』の原理によって制約されているという考え方。
- - 生産性とコミュニケーション:職場での生産性は、休憩時間中の会話の活発さに影響されることが示唆されています。
- - ネットワークの重要性:従業員が「知り合いの知り合い」である職場では、プロジェクトの開発遅延が少ないことがわかりました。
このような発見は、今後の企業の運営や私たちの日常生活にどのような形で影響を与えるのか、非常に興味深いテーマです。矢野氏の研究が、我々の働き方や経済活動の未来をどのように変えていくのか、そのビジョンが本書には詰まっています。
著者探求
矢野和男氏は1984年に早稲田大学を卒業後、日立製作所に入社。1993年には単一電子メモリの室温動作に成功。以降、ウエアラブル技術やビッグデータの分野で国際的に評価されています。彼の記事は多くのメディアにも掲載されており、ビジネス界や技術界で広く知られています。
まとめ
矢野和男氏の『データの見えざる手』は単なるビッグデータの解説書には留まらず、我々の未来に大きな影響を及ぼす可能性を秘めた一冊です。ビッグデータと人間行動の相互作用について考えるきっかけを与えてくれること間違いなしです。
書籍は定価1500円(税別)で、草思社から発売中です。興味のある方はぜひ手に取って、新たな知見を学んでみてはいかがでしょうか。