CTBE社、肩腱板再建の新医療機器開発を加速する支援を受ける
CTBE社が新たに挑む肩腱板再建医療機器開発
CoreTissue BioEngineering株式会社(CTBE社)は、先日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の先進的医療機器開発プロジェクトに採択され、最大で5億7千5百万円の支援を受けることになりました。この支援を受けて、CTBE社は断裂した肩腱板を再建し、運動機能の回復を図る医療機器の実用化を目指しています。
採択事業の概要と目的
今回のプロジェクトでは、CTBE社が代表機関となり、早稲田大学と東京スポーツ&整形外科クリニックとの連携のもとで、運動機能を改善するための新しい医療機器を開発します。肩の腱板が大きく断裂した場合、一次修復術が施されても、再断裂のリスクが高く、特に活動的な年齢層(50代、60代)の患者にとっては適切な治療法が未だ確立されていません。そこで、このプロジェクトでは、3センチから5センチの断裂、またはそれより広範囲にわたる断裂に対しての生体適合性と強度を兼ね備えた、脱細胞化技術を応用した新たな医療機器の開発に挑戦します。
医療機器の技術的革新
早稲田大学の岩﨑清隆教授は、このプロジェクトにおける技術の重要性を強調しています。ウシの組織を用いた脱細胞化技術によって、細胞成分を取り除き、組織の強度を保持することが可能になります。この技術は、すでに前十字靭帯の再建などで実績を上げています。また、ヒツジによる実験でも、脱細胞化組織が次第に体内で置き換わり、新たな組織が再生することが確認されています。この革新的な方法を用いることで、多くの患者が求めている新しい治療手段の提供が期待されています。
アプローチと課題
東京スポーツ&整形外科クリニックの院長である菅谷啓之先生は、肩腱板の断裂がどのように患者の生活の質(QOL)に影響を与えるかを指摘しています。肩の使い方に影響が及ぶため、動作が制限され、日常生活や職業活動に不便をきたすことも少なくありません。そのため、この新たな医療機器の開発はただの医学的進歩に留まらず、社会的な意義も持つものと言えるでしょう。
CTBE社の未来
CTBE社は、神奈川県横浜市に拠点を置くスタートアップで、2016年に設立されました。初期段階から、脱細胞化技術を用いた人工靭帯の開発を行っており、今回のプロジェクトでその技術をさらに広げることを目指しています。医療機器業界におけるリーダーシップを握るために、CTBE社は今後もイノベーションを追求し続けます。
この新しい肩腱板再建機器が、運動機能の回復を望む多くの患者に新たな希望をもたらすことを期待しましょう。
会社情報
- 会社名
-
CoreTissue BioEngineering株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市鶴見区末広町1-1-43ライフサイエンス研究センター301
- 電話番号
-
045-642-5455