世界生活環境調査
2012-12-04 20:07:58
2012年世界生活環境調査で明らかになった都市ランキングの結果
2012年世界生活環境調査の結果
投資戦略や従業員の派遣計画を立てる上で欠かせない指標の一つとして知られる「世界生活環境調査」が、マーサー社によって発表されました。この調査は、世界221都市の生活環境水準を評価し、企業が海外で駐在員を送る際の報酬制度を決定するための重要な参考情報となっています。
生活環境の高い都市
今回の調査によると、世界で最も生活環境が優れている都市は、前回調査と変わらずオーストリアのウィーンとなりました。続く順位は、スイスのチューリッヒ、ニュージーランドのオークランド、ドイツのミュンヘン、カナダのバンクーバーと続きます。
この結果からも、欧州の都市が多くランキング上位に並ぶ傾向が見られます。都市の生活環境を評価する際には、例えば治安や交通インフラ、医療サービスといった要素が重要で、これらが全体的な生活の質に大きく影響することが示されています。
生活環境が厳しい都市
一方で、最も生活環境が厳しいとされる都市は、スーダンのハルツーム(217位)、チャドのンジャメナ(218位)、ハイチのポルトープランス(219位)、中央アフリカ共和国のバンギ(220位)、そして最下位となったイラクのバグダッド(221位)データが示しています。これらの都市に共通するのは、経済的な不安定さと治安の悪化です。
都市インフラのランキング
調査の一環として、各都市のインフラに関するランキングも行われました。こちらではシンガポールが首位で、多くの先進都市が上位に見られました。フランクフルトやミュンヘンも高評価を得ている中、最下位にはポルトープランスが位置しています。この結果も、基本的なインフラの整った都市がいかに生活の質に影響を与えるかを反映しています。
北米・南米の現状
北米に目を向けると、カナダのバンクーバーが評価されており、アメリカではハワイのホノルルが最高位として28位にランクイン。南米では、多くの都市がインフラの改善に取り組む中、最下位にはハイチのポルトープランスが属しています。
ヨーロッパの強さ
ヨーロッパでは、ウィーンが再びトップに。全体的に安定した経済環境が都市ランキングを押し上げている理由の一つとされています。しかし、経済の混乱や高い失業率が今後の社会に影響を与える懸念もあります。
アジア・太平洋地域の変化
アジア地域ではオークランドが3位に入ったものの、東京46位の評価にはやや失望の声も。シンガポールが都市インフラで首位となり、アジアの都市のインフラ開発は急務となっています。
中東・アフリカの問題
中東やアフリカに目を向けると、ドバイやアブダビが比較的良好ですが、イラクのバグダッドが最下位という厳しい状況が続いています。政治的不安定やインフラの脆弱さが、地域全体の生活環境に悪影響を及ぼしています。
結論
全体的な傾向としては、先進国の都市が高く評価され、発展途上国では生活環境が厳しいことが浮き彫りとなりました。マーサーは、企業が駐在員を海外に派遣する際に適正な報酬を設定できる情報を提供することが、この調査の根底にある役割だと明記しています。今後もこの調査は企業活動に不可欠なデータソースとして、多くの注目を集めることでしょう。
会社情報
- 会社名
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マーサージャパン株式会社
- 住所
- 東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー37階
- 電話番号
-
03-5354-1560