灯かりのいえなみ協定が20年の歩み
ポラスグループが展開する「灯かりのいえなみ協定」は、分譲住宅の美しい夜間景観の創出と防犯対策を兼ね備えた取り組みとして、2004年にスタートしました。創業者の戒能社長を中心に推進されたこの協定は、導入から20年が経過し、これまでに6,500戸以上の住宅で採用され、地域社会の安全と安心に大きく寄与しています。
協定の概要と背景
「灯かりのいえなみ協定」は、夜間に分譲住宅が協力して外灯を灯し続けることを約束するシステムです。住宅の外壁や外構に設置した照明が明暗センサーで自動的に点灯し、暗がりによる死角をなくすことで防犯効果を高めつつ、地域の景観を美しく保つことが目指されています。住民の維持管理によって、街並みが常に心地よい明かりで満たされるよう工夫がなされています。
この協定の最大のポイントは、住宅の住人同士が協力し合い、連携を深めることで地域コミュニティを形成する点にあります。灯りがともることで、住民同士の絆が強まり、「我が街」への愛着が育まれるのです。それにより、地域の一体感や防犯意識が高まる効果も期待できます。
受賞歴と評価
「灯かりのいえなみ協定」はその取り組みが評価され、多くの受賞歴があります。2012年には足立区防犯認定タウンの第1号認定を取得し、2020年にはグッドデザイン賞を受賞しました。また、2023年にはキッズデザイン賞も獲得し、地域に安全で美しい住環境を提供する取り組みが広く認識されるようになっています。これらの評価は、地域から温かく支持されている証です。
20年間の変遷と未来展望
協定は20年間で時代の変化にも対応し、照明器具の変更や維持コスト削減、景観向上に貢献してきました。初めは白熱灯を使用していたが、現在は蛍光灯、さらにLEDに移行し、経済的かつ環境にも配慮したシステムが構築されています。また、直接光から間接光への転換により、より穏やかで心地よい景観が実現しています。住民主体のイベントを支援する「マチトモ!」制度が設立されたことで、住人同士の交流も一層促進され、地域の絆が深まっています。
今後も「灯かりのいえなみ協定」は、地域社会の特性に合わせた新たな取り組みが期待されています。例えば、地域ごとの文化やニーズを反映した特別な美観イベントを通じて、さらなる地域活性化を狙っています。住民の「我が街」意識を育むことで、美しい景観と安全性を両立した地域づくりは続いていくでしょう。
プロジェクト設計担当者の声
この取り組みを初めて導入した分譲住宅「パレットコート七光台」の設計を担当した橋本顧問は、地域の暗がりに課題を感じ、そこで生まれたアイディアを基に協定を設立しました。彼は、暗闇の中で懸命にプロジェクトを進めた経験を語り、照明の重要性を再確認しました。地域の皆さんと共に試行錯誤を重ねながら育んだ「灯かりのいえなみ協定」は、さらに新たな可能性を見出しながら、今後の20年を迎える準備を整えています。