mRNAを活用した革新的低分子医薬品創出への新たな挑戦

mRNAを活用した新たな医薬品創出の挑戦

低分子医薬品はこれまで化学合成による一般的な医薬品として多くの患者に届けられてきました。今回、東レとVeritas In Silicoが注目を集めるのは、mRNAという新しいターゲットを用いた低分子医薬品の創出に向けた共同研究の発表です。この研究は、両社の技術力を融合させ、未解決の医療ニーズへ積極的にアプローチするものとなっています。

東レの強み

東レは経口投与可能なプロスタサイクリン誘導体製剤「ドルナーⓇ」や選択的オピオイドκ受容体作動薬「レミッチⓇ」など、低分子医薬品の開発で高い実績を誇ります。長年の経験を活かし、医薬品創出に関する幅広い知識と技術を持つ同社は、患者のニーズに応えるべく新しい治療法開発に挑んでいます。

Veritas In Silicoの革新技術

一方、Veritas In Silicoは、mRNA上の特定部分構造に作用する低分子医薬品の開発を実現する創薬プラットフォーム「ibVISⓇ」を持ち、この技術は注目されています。2018年からは複数の製薬会社と共同で創薬研究に取り組んできた実績もあり、その成果が期待されています。

共同研究の内容

今回の共同研究では、両社が蓄積してきた技術と経験を基に、複数の遺伝子を標的とし、mRNA上の標的構造を特定することから医薬品候補化合物の取得までの一連のプロセスを共同で進めます。具体的には、東レの経験豊富な創薬インフラと、Veritas In Silicoの先進的なRNA構造解析手法、スクリーニング法、構造解析技術を組み合わせます。これにより、革新的な薬効を持つ医薬品の開発が期待されています。

アンメットメディカルニーズへの挑戦

このプロジェクトの目的は、未だ有効な治療法が確立されていない疾患に対して、新たな治療法を提供することです。mRNAという従来の低分子創薬ではターゲットとされなかった構造を利用することで、革新性の高い医薬品の開発が可能になると考えています。東レとVeritas In Silicoは、早期に有用な医薬品を患者に届けることを目指しており、その成果が待たれます。