北九州市での環境シンポジウム開催
福岡県北九州市の紫川では、過去10年間で4種のタナゴが絶滅し、その背景には河川整備工事が影響していると考えられています。この問題を受け、地域全体で解決策を見出すために、市民、行政、専門家が一堂に会する最大規模の環境シンポジウムが、2022年12月4日に開催されることになりました。このシンポジウムでは、タナゴや淡水二枚貝の保全について、さまざまな視点から議論される予定です。
タナゴの生息地としての紫川
タナゴ類は流れの緩やかな淡水環境に生息し、特定の二枚貝に産卵する特性があります。しかし、紫川では2010年頃からカゼトゲタナゴやヤリタナゴなどの生息が確認できなくなっています。このような絶滅の背後には、治水対策に伴う河川の改修が大きく影響したとされています。今後の保全策を協議するため、参加者はこのシンポジウムを重要な場と捉えています。
第一線の専門家たちによる討論
シンポジウムでは、コーディネーターとして熊本県立大学の島谷幸宏教授が進行を務める予定です。そのほか、福岡県保健環境研究所や福岡工業大学、九州大学の専門家も登壇し、それぞれの視点から紫川でのタナゴ類の生態や、河川工学に基づく環境再生の未来について話し合います。
市民の参加と情報発信
NPO法人北九州・魚部は、このシンポジウムを通じて地域社会における生物多様性の重要性を広く伝えたいと考えています。市民だけでなく、行政や大学との協力を深め、地域の生物を守るための有効な施策を模索することが目的です。また、活動を報告し合うことで、他の団体の取り組みに対する理解を深めることも期待されています。
イベントの詳細情報
目的
今回のシンポジウムは、「ふくおか水もり自慢!」プロジェクトの一環で、福岡県内の環境団体が集まり、それぞれの活動を共有する場となります。また、参加団体の活動から取り入れられる知見を通じて、未来の河川整備や生物多様性保全に向けた具体的な提案を行うことが目的です。
シンポジウムの内容
シンポジウムのテーマは「紫川で絶滅したタナゴ類と淡水二枚貝のことから考える、治水の未来について」です。登壇者たちは、河川整備に対する視点を提供し、質疑応答を通じて活発な議論を行います。また、参加者からの質問も受け付け、今後の研究の道筋を描くための貴重な機会となります。
イベントの開催概要
- - 日時: 2022年12月4日(日)9時受付開始、10時開演
- - 場所: 黒崎ひびしんホール中ホール(北九州市八幡西区)
- - 料金: 無料(要申し込み)
- - 定員: 現地約100名、オンライン500名。
このシンポジウムが、北九州市の未来の環境政策に大きな影響を及ぼすことを期待しています。市民の皆さんにとっても、大切な自然環境を保全するために、ぜひ参加をご検討ください。