日本人の70%が自国の衰退を実感する理由と背景とは

最近発表されたイプソス株式会社の「ポピュリズムレポート2025」において、日本における国民の意識調査が注目されています。調査結果によると、日本人の70%が「自国は衰退している」と感じており、これは2016年の調査開始以来、約1.8倍に増加していることが明らかになりました。この数字は世界31か国中で3番目に高いものであり、国民の間に蔓延する悲観的な感情に警鐘を鳴らしています。

調査は、イプソスが日本を含む31か国で実施し、23,228人を対象としています。特に注目すべきは、既存の政党や政治家が自身の意見や立場を気にかけていないと感じる日本人が68%に達したことです。これも比較的最近の9年間で約1.7倍の変化があると言われており、1960年代から始まった経済成長を背負った世代とは対照的に、今の若い世代が抱える政治への絶望感が見て取れます。

さらに、「自国の社会は崩壊している」との意識を持つ日本人も53%に達しており、こちらも9年前と比べて22ポイントの増加が見られます。このデータからは、国民の中で社会のあり方に対する不満が高まっている様子が示されています。他国と比較しても最も高い増加率を記録していることは、特に日本独自の状況を物語っています。

これらの調査結果に対し、イプソス株式会社の代表取締役社長、内田俊一氏は「今後もこの調査を続け、変化する国民の意識を観察する必要がある」と語っています。日本の政治と社会に対する不満の高まりは、これまで積み重なった問題の表れかもしれません。この状況に対してどのような政策が提示され、実現されるのか、引き続き注目が集まるところです。

調査方法は、オンラインプラットフォームを通じて行われ、対象は18歳以上の成人としており、国によって年齢範囲が設定されています。この調査の実施期間は2025年の2月21日から3月7日までで、イプソスのグローバルアドバイザー調査プラットフォームを使用しています。

このような結果から、私たち一人一人が政治や社会に対する意識をどう変え、どのように改善していくべきかを真剣に考える必要があるのではないでしょうか。所有する権利や意見を適切に行使できるのは、私たち自身だからです。これからの日本がどの方向に進んでいくのか、一国民として見守り、声を上げることが重要です。

詳細な調査レポートは、イプソスの公式ウェブサイトで公開されています。