公共バスが切り開く新たな監視システム
近畿大学経済学部の新井圭太ゼミと大阪大学大学院情報科学研究科の山口弘純研究室、そして全但バス株式会社が協力し、兵庫県豊岡市において新しい社会実験を開始します。本プロジェクトは、公共交通機関である路線バスを用いて、道路状況のモニタリング情報を共有することを目的としています。
モニタリングの目的
この実証実験では、バスに測定機器を設置し、通常時及び災害時の道路状況を計測します。具体的には、大雪や土砂崩れ、さらには動物の飛び出しなど、さまざまな交通リスクを把握し、地域社会と情報を共有することを目指します。これにより、交通事故や人身事故の削減が期待されています。
新しい技術の導入
測定に使われる機器は、大阪大学によって設計され、路線バスに取り付けられます。これにより、道路の状況がリアルタイムで「見える化」され、自治体の関連部署との連携が可能になります。これまでのような社内対策だけではなく、災害時や路面劣化時の迅速な対応も視野に入れています。
実施の流れ
今後のスケジュールとしては、まずプレ実証が行われ、その後に本実証に進む予定です。プレ実証では、機器の設置や測定方法の確認を行い、次のステップに進むための基盤を作ります。また、地域の住民やバス乗客を対象に意識調査も実施し、モニタリングへの理解を深めてもらいます。
地域に根ざした取り組み
このプロジェクトの最大の特長は、地域の課題解決に向けて公共交通機関を活用する点です。短期的には大雨、地震による交通事故のリスクを軽減することが目指されており、中期的には自転車や歩行者に対するヒヤリハット情報の共有も検討されています。
企業情報
全但バス株式会社は、バス事業を中心に各種サービスを提供しており、「安全」を何よりも優先する企業です。地域密着型の運営を大切にしながら、地域住民に「安心」と「快適」を提供すべく日々活動しています。
まとめ
公共バスによる道路状況のモニタリングは、交通リスクを軽減し、地域社会の安全を高めるための大きな一歩です。実証実験が成功すれば、他の地域への展開も期待され、今後の交通政策にも影響を与える可能性があります。私たちの日常生活に密接に関わるこの取り組みが、より安全な交通環境の実現につながることを願っています。