消費者金融CMの印象調査と行動の乖離
2025年6月、お金に関する専門サイト「お金コラム」が、消費者金融のCMに対するアンケート調査を実施しました。この調査では、視聴者がどのブランドのCMを記憶に残しているのか、またそれらのCMが与える印象と実際の申し込み行動にどのように影響するかに焦点をあてました。
調査の概要
調査はインターネットアンケート形式で、期間は2025年6月4日から6月5日まで、合計200件の有効回答が得られました。この結果は、消費者金融のCMが視聴者に与える影響をより明確にするための貴重なデータとなりました。
CMに対する印象
アンケートの結果、多くの視聴者が消費者金融のCMに好印象を持っていました。「親しみやすい」「印象に残る」といったポジティブな意見が多く見受けられた一方、実際に申し込みを検討した人はわずか8%にとどまりました。これにより、広告の印象が行動につながるまでの心理的障壁が明らかになりました。特に多く寄せられた利用をためらう理由は、「申し込みが通るか不安」「収入や職業に自信がない」など、実際の経済状況に根ざしたものでした。
記憶に残るCMとは
特に注目されたのは、アイフルのCM。「そこに愛はあるんか?」というキャッチコピーが印象に残り、多くの回答者がこのストーリーを記憶しています。演者の迫力やユーモアが評価されており、視聴者によって様々な感想が寄せられました。
一方、ネガティブな印象を持ったCMについては、「特になし」と回答した人が半数を超え、必ずしも全てのCMが悪い印象を与えたわけではないことが判明しました。全体的に見て、好印象を持つ視聴者が圧倒的に多かったといえるでしょう。
好印象の要因
CMに対する好印象の要因として、特に「親しみやすさ」や「面白さ」が挙げられます。具体的には、「初めてのアコム」「大地真央さんのキャラの変化」など、視聴者が楽しめる要素が盛り込まれていました。ストーリー性のある短編映画のような演出も、多くの支持を集めました。
一方での不安
しかし、CMが好印象であっても、どうしても利用をためらってしまう理由も存在します。特に「借金を軽く見せている」という指摘が多数寄せられ、何気ない楽しさが逆に不安を生むケースも見受けられました。「お笑い演出がありすぎて、何のCMか分からなかった」という声や、「楽しいイメージが借金の現実味を薄れさせてしまった」といったフィードバックもあり、CM制作におけるメッセージの伝達が難しいことを改めて示しています。
CMと申し込み行動の乖離
この調査から、消費者金融のCMは視聴者に好印象を与えながらも、申し込み行動には結びついていないことがわかりました。その根本的な原因は、申し込みに対する不安や借金そのものへの抵抗感にあったのです。特に、CMでの安心感が視聴者の不安を完全に払拭することはできていませんでした。
今後のCM制作においては、エンターテインメント性に加え、視聴者がリアルに感じている不安をどう解消するかが重要なポイントになるでしょう。広告の印象が購買行動にどれだけ結びつくか、今後の展開に期待が寄せられます。
まとめ
今回の調査結果から、消費者金融のCMが視聴者に好印象を持たれた一方で、実際の申し込み行動には影響を及ぼさなかった事実が明らかになりました。エンタメ性のみならず、申し込みへの不安をどうやって解消するかが今後の課題となるでしょう。視聴者の心をつかみ、行動へと移すための新しい試みに期待が寄せられます。