介護現場の負担軽減へ!タイヤロック同時解除機能搭載ベッドの実証事業開始
愛知県の大府市と東浦町で構成されるウェルネスバレー推進協議会は、介護用ベッドのタイヤロックを同時に解除できる製品の開発実証事業を開始しました。この事業は、中小企業基盤整備機構(中小機構)中部本部とウェルネスバレー推進協議会が連携して進める「医福工連携マッチング事業」の第一号案件となります。
今回の実証事業のきっかけは、障がい者福祉施設「ひかりのさとのぞみの家」からの「介護用ベッドのタイヤロック解除が同時にできる製品が欲しい」という要望でした。ウェルネスバレー推進協議会が設置する「アイデアボックス」を通じて寄せられたこの要望を受け、サポーティングインダストリー・ネットワーク倶楽部(サポイン倶楽部)会員企業に対して開発を呼びかけました。
その結果、鉄道車輌事業を展開する株式会社成田製作所が課題解決に向けた提案を行い、両者の連携が実現しました。成田製作所は、新幹線連結用内幌の100%を設計・生産するなど、鉄道車輌用部品のトップメーカーとして高い技術力と実績を誇ります。今回の実証事業では、成田製作所のノウハウを生かして、介護用ベッドのタイヤロックを同時に解除できる機構を搭載した製品を開発し、その安全性と使いやすさを検証します。
実証事業の概要
- - 実証期間: 2024年7月19日(金)~8月2日(金)
- - 実証目的: 介護職員が操作する介護用ベッドのタイヤロック動作の省力化、およびロック時の不安定感の排除
- - 実証内容: 介護用ベッドの下部にロック機構を有した部品を取り付け、介護用ベッドの移動時におけるロック機構部品の扱いやすさおよび安全性を評価
- - 実証先施設: 社会福祉法人愛光園ひかりのさとのぞみの家(愛知県知多郡東浦町)
ウェルネスバレー推進協議会について
ウェルネスバレー推進協議会は、愛知県大府市と東浦町が共同で運営しており、あいち健康の森とその周辺地区を「ウェルネスバレー」と名付け、健康長寿の一大拠点を目指しています。
同協議会は、ウェルネスバレー関連機関とものづくり企業、スタートアップのマッチングを通じたヘルスケア産業創出と医療介護現場の課題解決に取り組んでいます。
「アイデアボックス」は、医療・福祉現場からの課題や要望を提言してもらうためのアイデア提案箱です。企業に現場の要望を知ってもらい、課題解決を図りながら新商品の開発につなげることを目的としています。
成田製作所について
成田製作所は、サポイン倶楽部会員企業であり、鉄道車輌用部品のトップメーカーです。新幹線開発に当初から参画し、現在では新幹線の連結用内幌の100%を設計・生産しており、一般車輌を含め90%以上の市場占有率を誇ります。
同社は、鉄道車輌部品という極めて公共性の高い製品の製作ノウハウをフィードバックし、新たなヘルスケア分野の製品実現を目指しています。
今後の展開
今回の実証事業を通じて、介護現場の負担軽減と安全性の向上に貢献できる製品の開発を目指します。将来的には、介護用ベッドだけでなく、他の医療機器や福祉機器にも応用することで、幅広い分野で活用できる製品へと発展させていきたいと考えています。