外国人難民支援の新たな挑戦：医療と教育アクセスの確保

近年、日本国内での外国人難民への支援が深刻な課題として浮上しています。特に新型コロナウイルス感染症の影響が収束し、外国人入国者数が増加する中、2023年には13,823人の難民認定申請者が報告されています。この流れの中で、支援が必要な外国人が置かれる厳しい状況がより顕在化しています。

支援の必要性と課題

NPO法人アクセプト・インターナショナルは、在日外国人向けに2020年から相談窓口を開設し、1,000名以上の相談に対応してきました。その多くは難民認定申請者であり、在留資格がないために住民登録ができず、以下のような問題に直面しています：

- 医療保険に加入できず、十分な医療サービスを受けられない。
- 子どもが学校に通えない。
- 働くことができず、生活が困窮する。
- 文化の違いや情報不足から地域コミュニティに孤立する。

特に公的支援を受けられない状況下で、これらの人々への支援は非常に厳しい状態にあります。支援者側の負担も大きく、支援の担い手が不足しています。これに対抗する形で、アクセプト・インターナショナルは緊急支援体制を立ち上げました。

緊急支援活動の実施

同団体は、難民認定申請者、特に公的支援を受けられない人々に向けて、食糧支援と一時的な宿泊施設の提供を実施しています。

食料支援

入国して間もない方々は、何をどこで手に入れるか、また自国の宗教に則った食べ物が見つからない状況にあります。アクセプト・インターナショナルでは、彼らの生活状況や宗教的背景に応じた食糧の提供を行っています。特に路上生活を強いられている方々には、すぐに食べられるハラル対応の食品や、水を加えるだけで食べられる食品を用意しています。

さらに、買い物の支援も行い、ハラル対応の食品を見つける方法や、価格や量を比較するスキルを学べる機会も提供しています。食べ盛りの子どもがいる家庭には、果物やお菓子、そして安らぐひとときを提供するための飲み物も支援しており、心の支えとなるような配慮がされています。

一時宿泊施設の提供

言葉や文化の違いで情報を得やすい環境が整っていない中、在留資格がない方々にとっては賃貸契約が難しく、路上生活に陥る危険があります。昨夏、アクセプト・インターナショナルはこれらの人々に一時宿泊の場を提供しました。宿泊施設にはキッチン、シャワー、洗濯機などの基本的な生活環境が整備されており、生活指導や相談対応も行っています。

一時宿泊施設では、入居者に対して日本語の授業も実施しており、語学を学びながら孤立感を軽減する場としても機能しています。