名古屋商科大学が和歌山県高等学校で進路指導講演を実施
2025年12月5日、水曜日に和歌山県で開催された高等学校進路指導研究会に、名古屋商科大学の学長である栗本博行氏が講演者として登壇しました。この研修会は、和歌山県内の高等学校進路指導主事の教員たちを対象に、進路指導における広い視野を持つための学びを目的として行われました。
大学選択の新たな視点を共有
講演では、「大学全入」が一般化する現代において、どのように進路選択を行うべきかというテーマが取り上げられました。これにより、参加者は専門的な知見を得る機会を得ました。
午後のセッションでは、名古屋商科大学が特に重視している「教育の質」の評価指標や、国際的に認められている三大認証について紹介されました。これらの内容は、現在の教育現場が直面している課題についての理解を深めるために重要なものでした。
ケースメソッドを使った実践的な学び
講演の後半では、名古屋商科大学が導入している「ケースメソッド」を体験するワークショップが行われました。参加者は実際の教材を使用し、生徒役として意見を出し合うことで、より実践的な学びを体感しました。議論を通じて、重大な意思決定に直面した架空のケースの主人公になったつもりで、活発な意見交換が行われました。
先生方は、各自が受け取った知見を整理し、授業の総評へとつなげることで、参加者全体での学びも深めていきました。このような形での教育手法は、教員が生徒の判断力と表現力を引き出すためのファシリテーションスキルの向上に寄与することが期待されます。
ケースメソッドの背景と意義
ケースメソッドは、参加者が中心となる探究型の学びを指し、1922年にハーバード・ビジネス・スクールで生まれた教育手法です。欧米ではこの手法をアクション・ラーニングや参加者中心型学修と呼び、日本ではアクティブラーニングとして広まりを見せています。これは高校生から社会人まで、幅広い年齢層に対応する教育方法です。
この手法の大きな特徴は「正解がない」点にあります。従来の教育では一つの正答を教えることが求められますが、ケースメソッドでは参加者が個々に「納得解」を見つけ出すことが重視されます。これによって、個人の判断力と表現力の向上が期待され、それぞれの参加者にとっての知識を生み出す議論が必要です。
講師紹介:栗本博行
今回の講演を行った栗本博行氏は、名古屋商科大学の学長であり、大学の理事長でもある人物です。大阪大学で博士号を取得した栗本氏は、消費者行動分析に基づく経営戦略の研究を中心に多数の論文を執筆しており、最近では事業継承に関する研究やケース開発に注力しています。さらに、学内外においてケースメソッド教育のファカルティ・ディベロップメントを実施し、国際的な経営教育の発展に貢献しています。現在も、大学基準協会審査委員や中央教育審議会委員など、多くの役職を兼任しています。