京都芸術大学とイトーキが協力するスマートキャンパスデザイン
京都市左京区に位置する京都芸術大学では、学長の吉川左紀子が指揮する下、学生と企業が連携した新しい教育環境の構築に取り組んでいます。特に注目を集めているのが株式会社イトーキとの共同プロジェクト『スマートキャンパス構想』です。この取り組みは、未来のキャンパスがどのように進化していくかを学ぶ実践的な授業の一環として進められています。
スマートキャンパス構想の目的
イトーキが掲げる『スマートキャンパス構想』は、持続可能な社会を実現するために、デジタル技術を活用し、学生が成長し創造性を発揮できる環境を提供することを目指しています。このプロジェクトは、単なる物理的な設備の改良にとどまらず、教育の質を向上させるための新たな仕組みやカリキュラムデザインの導入を目的としています。学生たちもこの構想に独自の視点を加え、革新的な提案を行っています。特に、OECDが提唱する『Learning Compass 2030』を参考にし、個々の学習者の目標達成を支援するデザインを模索しています。
授業の概要
このプロジェクトは、選択授業『コンテンツプロデュース論Ⅱ』の中で行われています。講師にはイトーキのDX推進本部 デジタルソリューション企画統括部長である大橋一広氏が名を連ね、スマートキャンパス構想をテーマにしたプロジェクト型授業が展開されています。今年度のカリキュラムには、オンラインホワイトボード『miro』や生成AIを活用した最新のデザイン技法が取り入れられており、京都芸術大学との共同開発が促進されています。
授業では、学生は6人ずつの8つのチームに分かれ、IoTやAIを活用した教育環境のアイデアを考案しています。多様性を尊重した学びの場のデザインに取り組む中で、プレゼンテーションスキルや問題解決能力を磨き、創造力を発揮しています。
産学連携の新しい形
本プロジェクトは従来の産学連携とは異なるアプローチをとり、学生たちの自由な発想と企業のノウハウが交わる新たな環境を提供しています。イトーキは企業視点からの実践的なアドバイスを供給する一方で、学生たちの柔軟なアイデアを尊重し、独自性を活かした提案を支援しています。この授業の進行にあたっては、各自の興味や強みを活かせるユニークで意義深いワークショップが行われています。
11月27日のプレゼンテーション
この授業の集大成となるプレゼンテーションが、11月27日に実施されました。各チームの提案は大学内で評価を受け、斬新なアイデアが現れました。その様子は、ITOKI Open-DX Labの公式ウェブサイトやSNSを通じて社会に発信される予定です。
京都芸術大学の教育理念
京都芸術大学は、国内最大規模の総合芸術大学として、芸術を学ぶことで社会に貢献できる力を育成することを目指しています。芸術を基盤にした教育を通じ、学生たちは社会の課題に対しアートやデザインの力で解決策を見出す『社会実装プロジェクト』に参加しています。これにより、学生たちは学科を超えた協働作業や実務経験を通じて、社会に適応できる表現者へと成長していきます。
まとめ
京都芸術大学とイトーキのスマートキャンパス構想は、未来の教育環境を共に創造する新しい試みとして高い注目を集めています。学生の柔軟な発想と企業のノウハウが交錯するこの空間こそが、次世代の教育の在り方を示しています。