アルバイト・パートのシフト調整に潜む機会と課題を探る
ディップ株式会社とアイリッジが共同で実施した「アルバイト・パートのシフト調整に関する調査」では、労働市場の人手不足とそれに伴うシフト調整の困難さが浮き彫りとなりました。この調査は約2,400人の15歳以上の男女を対象に行われ、シフト調整に関する実情を明らかにしました。その結果、店舗の管理者である店長の66%が人手不足の不安を抱えていることがわかりました。
調査の背景
2024年10月1日から社会保険の適用範囲が拡大し、最低賃金もアップとなります。この変更によって、特にパートタイム労働者において人手不足が続くという厳しい状況が続くことが予測されています。これまでのデータによれば、パートタイム労働者に関する不安は60期連続で増加しており、特に宿泊業や飲食サービス業では深刻な人手不足が報告されています。これに加え、社会保険適用の変更により、働く時間を制限しながらも効率よくシフトを調整する必要があります。
調査結果の概要
調査によると、70.1%の店舗管理者がシフト調整に悩みを抱えており、特に飲食業においてその割合は86.2%にも上ったとのこと。
1.
シフトの急な変更: シフト確定後に、欠勤や交代依頼が発生することが、教育されたシフト管理者の44.6%が抱える最大のストレス要因でした。
2.
効率的なコミュニケーション: DX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れから、店舗間のコミュニケーションにおいて多くの無駄が生じています。「個別連絡の手間」や「返信が遅いことによる調整の難航」が大きな悩みの種となっています。
3.
社会保険適用と最低賃金の影響: 65.5%の店舗管理者が社会保険適用の拡大や最低賃金の引き上げの影響を不安視しており、特に年収の壁によってシフトが埋まりにくくなるという懸念声が多数寄せられました。
4.
シフトの確定状況: アルバイト・パート従業員の42%が、希望するシフトに入れなかった経験があると答えており、シフト確定後に「働きたい」と思っていることが多いことがわかりました。特に、休暇日でも働きたい意欲があるとの回答が51%に上りました。
新サービス「バイトルトーク」の導入
ディップ株式会社とアイリッジは、これらの調査結果をもとに、シフト調整のミスマッチを解消する新サービス「バイトルトーク」を今秋より開始予定です。このサービスにより、店舗の人手不足を解消すると共に、アルバイト・パートの働きやすさを向上させる取り組みを行います。具体的な機能としては、より効率的なシフト調整が可能となるよう、店舗管理者とアルバイト・パート間のコミュニケーションを円滑に進めることを目指しています。
最後に
本調査は、アルバイト・パートの働き方における新たな可能性を示すものとなっています。シフト調整の柔軟さを取り入れることで、潜在労働力を最大限に引き出す手段が整えられることが期待されています。アルバイト・パート従業員と店舗管理者との間に生じるコミュニケーションの壁を取り払い、より効率的かつ自発的な働き方を推進することが、現代の労働市場に求められています。