陸前高田で若者の未来を変える地域協働プログラム
東日本大震災を機に大きな変革を求められている岩手県陸前高田市。その地で、大学生たちが自らの人生を変える1週間を過ごす特別なプログラムが存在しています。それが「ChangeMakerStudyProgram(CMSP)」です。このプログラムは、大学生と地域住民が共に課題解決に取り組む意義深い機会であり、参加者は「お客様」から「協働者」へと変化し、地域との深い関係を築いていきます。
プログラムの背景
CMSPは2013年に開始以来、1,400名以上の学生が参加してきました。このプログラムは、被災地支援や地方創生という枠を超え、若者自身の「自己変容」を促進するものです。現代の都市部では、孤独や孤立が社会問題化していますが、CMSPはそれに逆らうような「泥臭い人間関係」と「正解のないまちづくり」に挑んでいます。参加者は、プログラムを通じて自分自身の成長を実感し、第2のふるさとを見出すことができます。
プログラムの内容とプロセス
CMSPは大きく分けて、事前学習、現地プログラム、事後研修の3つのプロセスで構成されています。現地での経験は、地域住民との交流を深め、アクションを共に企画するまでを含みます。
- - 1日目〜3日目: 町と出会う・アクションを企画する では、町を訪れ、住民との交流を通じて陸前高田の現状を理解します。この体験により、参加者は課題を発見し、地域と共に何かを始めようという関係を築いていきます。
- - 4日目〜5日目: 町を想う・アクションを準備する の段階では、陸前高田の魅力や課題を整理し、理想の町のビジョンを描いて具体的なアクションアイデアを生成します。
- - 6日目〜7日目: 町に届ける・アクションを実行し報告する では、考えたアクションプランを実行し、最終的に地域住民に向けた成果報告会を開催します。このように、参加者は自らの活動を通じて小さな変化を起こし、最終的には地域全体に影響を与えます。
若者から地域への影響
CMSPに参加した学生たちは、プログラム終了後も地域での支援活動を続けるケースが多々あります。約400名が運営スタッフとしてサポートを続け、さらに50名以上が実際に移住しています。また、地域の漁業や農業の支援に従事し、地域の経済や文化の維持に寄与する存在にもなっています。これにより、地域住民も新たな視点やアイデアを得ることができ、双方向の関係性が確立されています。
地元住民と参加者の声
地域の住民は、若者の参加によって新しい風が町に吹き込まれると語り、彼らの存在を喜んでいます。一方で、参加者も「ここが自分の帰る場所になった」と感じるほど、地域とのつながりを強く持つようになります。こうした経験は、地域と若者の双方にとって重要な資産となっています。
今後の展望
震災から15年となる2026年、SETはCMSPをより進化させ、「若者と地域が共に未来を創るプラットフォーム」としての役割を果たしていきます。このプログラムは、単なる体験に留まらず、持続可能な社会を目指し続ける取り組みとして、全国にそのモデルを発信していく計画です。
開催概要
CMSPの2026年の開催は以下の通りです。
- - 期間: 2026年2月23日〜3月1日 / 2026年3月9日〜3月15日
- - 場所: 岩手県陸前高田市
- - 対象: 全国の大学生・大学院生・専門学生
詳しい情報は
公式サイトなどにて確認できます。